判例(休職期間中の警察官の復職について、医師が車通勤への配慮をもとめていたのに、とっさのハンドル操作ができるかか等の抽象的な問題を重視し、具体的に車通勤を危険視するエピソードがないのに、電車での通勤を試させ、電車での通勤が不可能であったこと等を理由として、復職を認めなかったことは、違法であるとされた。)
2026/09/26 更新
大阪高判令和7年10月8日 判例タイムズ1547号82頁
1 概要
(1)平成27年3月、警察官が交通事故にあった。
(2)平成27年6月から平成29年6月まで休職期間となった。
(3)主治医は、平成27年3月に症状固定と診断し、平成27年5月に「職場の環境調整ができるなら職場復帰は可能、車通勤ができるなら車通勤の配慮を求める」旨の意見書を作成した。
(4)とっさのハンドルさばき等に不安があるという理由で、運転に問題がある等の具体的なエピソードもないのに、電話での通勤を試行させたところ、警察官は他の乗客とぶつかったことで全身に痛みを感じて警察署までたどり着けなかった。
(5)休職期間は延長されてたが、平成30年6月、大阪府警本部長は、警察官に対し免職処分を行った。
2 判決
(1)休職期間満了時に、復職が可能かどうかについては、障害者雇用促進法36条の3が適用されて、企業の合理的配慮を行っても復職が不可能であることが必要である。
(2)休職期間中の警察官の復職について、医師が車通勤への配慮をもとめていたのに、とっさのハンドル操作ができるかか等の抽象的な問題を重視し、具体的に車通勤を危険視するエピソードがないのに、電車での通勤を試させ、電車での通勤が不可能であったこと等を理由として、復職を認めなかったことは合理的配慮を欠いたものであるとして、懲戒処分が違法であるとされた。
大阪高判令和7年10月8日
判例タイムズ1547号82頁




