転職者が、不正に取得した「営業秘密」を活用した場合の転職先の責任(不正競争防止法)
2025/03/08 更新
転職者が、不正に取得した営業秘密を活用した場合の転職先の責任
(1)中途入社した社員が、不正に取得した営業秘密を活用した場合に、転職先の会社が責任を負うこともあります。
(2)会社としては、中途入社した社員が不正に、前の勤務先の営業秘密を活用しないようにチェックする必要があります。
不正競争防止法と、転職先の会社
(1) 不正競争防止法は、営業秘密の取得後に、不正取得行為が介在したこと(取得者が営業秘密を取得するまでの一連の流通過程におけるいずれかの段階において、不正な手段により営業秘密が流出したものであること)を知ってもしくは重大な過失により知らないで、営業秘密を使用し、又は開示することは不正競争にあたり違法となると規定しています。(不正競争防止法2条1項6号)。
(2)不正競争防止法は、営業秘密の取得後に、営業秘密について不正開示行為が存在したこと(守秘義務に反して営業秘密が流出されたものであること)を知ってもしくは重大な過失により知らないで、営業秘密を使用すること、もしくはこれを開示することは不正競争にあたり違法となると規定しています(不正競争防止法2条1項9号)。
転職先の会社のリスク
(1)転職した社員が、前職の情報を不正に持ち出して、その情報を使って転職先企業で仕事をしていた場合、その後、その情報が不正取得されたことが判明すれば、そのj方法を使ったプロジェクトを中止する必要がでてきます。
(2)会社としては、転職者が前職の情報を不正に持ち出して業務に利用していないかをチェックする必要があります。
転職先の会社の責任
(1)会社としては、転職者が、転職元の会社で使っていた図面、名簿、マニュアルを利用して業務をしていないか、チェックする必要があります。
(2)また、会社は転職者に上記の行為が違法であり、当該行為が禁止されることを入社に説明する必要があります。
参考
ビジネスガイド2024年8月号64頁