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予防法務

秘密保持と競業禁止の関係

2025/01/29 更新

Q1
 雇用契約における秘密保持と競業禁止はどのような関係にありますか。

A
 会社のノウハウを他社に流して金銭を受け取るのであれば守秘義務の問題です。会社のノウハウを持って他社に就職したり、競業会社を立ち上げたりすれば競業禁止の問題です。
 したがって、会社のノウハウ・企業秘密が持ち出されるという意味では、競業禁止・守秘義務違反は一体として取り組むべき問題です。
 また、退職前の会社から同僚の労働者を引き拭いて新会社を設立等すれば、法律上は「引き抜き」の問題として取り扱われることもあります。

Q2

 秘密保持契約と、不正競争防止法の「営業秘密」の関係はどうなるのか。

A

(1)不正競争防止法の「営業秘密」として保護されるには、法律上の要件を満たす必要があります。

 不正競争防止法の「営業秘密」には、3つの要件を満たす必要です。
 ①その情報にアクセルできる人間を制限したり、その情報を厳重に管理したりしていること(秘密管理性)、
 ②事業活動に有用であること(有用性)、
 ③一般に知られていないこと等(非公知性)が必要です。

(2)秘密保持契約は、契約として、情報等の取り扱いについて合意するものです。当事者は自由に契約をすることができますが、その内容が公序良俗(民法90条)に反すると無効となります。秘密保持契約を締結していれば、これに基づく請求も可能となります。

Q3
 「退職後1年間競業会社に就職したり、競業会社を設立したりしてはならない。」との競業禁止の契約書は有効ですか。

A
 労働者にとってみれば、長年つちかったノウハウを活かして再就職したいと考えるのは当然です。再就職先の制限は職業選択の自由(憲法22条1項)の制限となります。
 再就職を①制限する期間を限定し、②禁止される再就職先の地域を限定し、③禁止される再就職先の業種を限定し、④退職金等により対価を支払っているというような例外的な場合に限り有効であるといわれています。

Q4
 競業禁止の合意や、秘密義務の合意を締結しない限り、労働者に対し損害賠償請求はできないのですか。

A
 就業規則や個別の契約が無い場合でも、悪質な行為をすれば、損害賠償等のできます。もちろん、ある場合と比べて認められにくくはなります。

Q5
 雇用契約における競業禁止と守秘義務に関し、どのような方法で労働者と締結するのですか。

A
 雇用時に誓約書の形で差し出させたり、就業規則に記載したり、退職時に退職合意書の条件として記載したりするのが一般的です。さらに、定期的に労働者から署名を求めるのが理想的です。
 企業からすれば、競業禁止・秘密保持の問題が生じることはするな、と労働者の意識を高めることでも有益です。その一環として、定期的に労働者から署名を求めることも有益です。

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