Q 派遣社員の賃金はどうやって決まるのですか。
2025/07/20 更新
労使協定方式
(1)派遣社員の賃金についても、同一労働同一賃金の考え方適用されます。
(2)派遣会社は、派遣社員の待遇について、いずれかの方式をとることが義務付けられています。
派遣先均等・均衡方式
(1)派遣先の企業の正社員の給与等との比較について、法律の定めにしたがって計算される給与以上を保障する方式です。
(2)派遣先から正社員の給与情報をもらう必要がありあます。派遣会社が複数の派遣先に派遣している場合に、その派遣先毎に計算する必要があります。
(3)現実的には、派遣先均等・均衡方式はほとんど利用されていません。
労使協定方式
(1)厚生労働省が発表する業界ごとの派遣先の企業の正社員の給与等との比較について、法律の定めにしたがって計算される給与以上を保障する方式です。
「厚生労働省が発表する業界ごとの派遣先の企業の正社員の給与以上の金額を保障する」との労使協定を労働者代表と締結する必要があります。
(2)9割の派遣会社が労使協定方式を採用しています。
通勤手当
(1)派遣社員の賃金については、上記の規制を守っている限りは通勤手当を支払う必要はありません。
(2)しかし、多くの派遣会社は、「通勤費は別途支払う」という形で、基本時給を決まています。
(3)派遣先を選ぶさいに、「通勤費は別途支払う」としたほうが、距離に関係なく派遣先を選んでもらうことができることや、派遣社員は「通勤費の支払い」を重視する傾向が強いからだと考えられます。
参考
社会保険労務士法人すばる「実践Q&A方式 人材派遣の実務」31頁以下