Society5.0(ソサエティ5.0)とIndustry4.0(インダストリー4.0)
2024/08/27 更新
Society5.0(ソサエティ5.0)
(1)Society5.0(ソサエティ5.0)は、日本(内閣府)が提唱する未来社会です。
(2)クーラーを使うと快適に過ごすことができますが、電気を使うのでCO2が排出されしまいます。質の高い生活と、社会的課題の実現は矛盾する部分があります。
(3)現実世界(フィジカル空間)からデータを集めて、計算機の中の世界(サイバー空間)を作って、いろいろな社会的課題への影響を予想し、最適解を探します。
(4)Society5.0(ソサエティ5.0)では、データ駆動型社会を目指します。データ駆動型社会はデータを使って合理的な意思決定をする社会という意味です。これは、データを使って人が意思決定するという意味のほかに、データから自動的に解決策を出すという意味もあります。
参考
日立東大ラボ 「Society(ソサエティ) 5.0 人間中心の超スマート社会」14頁以下
Industry4.0(インダストリー4.0)
(1)Industry4.0(インダストリー4.0)は、ドイツが提唱する未来の製造業です。
(2)Industry4.0(インダストリー4.0)は、AI・ITを活用して、付加価値の高い商品を低コストで製造するというスマートファクトリーを目指す概念です。
(2)Industry4.0(インダストリー4.0)は、製造現場の効率化だけではありません。設計データ、顧客データ、サプライヤーデータ等組織・分野を超えてデータの収集、活用のサイクルを生み出すことを目的にしています。
参考
日立東大ラボ 「Society(ソサエティ) 5.0 人間中心の超スマート社会」40頁以下
Industry4.0(インダストリー4.0)とSociety(ソサエティ) 5.0の相違点
(1)共通点は、政府主導の産学官連携の取り組みであること、AI・IT・データサイエンスの活用を軸に置いている点です。
(2)違いは、Industry4.0(インダストリー4.0)は、スマートファクトリーを目指しているのに対して、Society(ソサエティ) 5.0は、スマート社会を目指している点です。
(3)このため、Industry4.0(インダストリー4.0)は、付加価値の高い商品を低コストで製造するという指標が明確であるのに対して、Society(ソサエティ) 5.0は、社会課題の解決、質の高い生活を目指すために指標が不明確にならざるをえません。
参考
日立東大ラボ 「Society(ソサエティ) 5.0 人間中心の超スマート社会」45頁以下
日本社会が直面する社会課題
Society5.0(ソサエティ5.0)が解決を目指す社会課題は以下のとおりです。
労働力人口の減少
(1)少子化と高齢化によって、労働者人口が減少します。
(2)親の介護のための、介護離職によってますます労働者人口が減少することが予想されます。
(3)ロボットの利用、高齢者の雇用、生産性の向上が必要になってきます。
居住地の分散
(1)今まで人口の増大とともに、居住地を拡大してきました。
(2)今後は人口が減っていきますが、居住地域は広がったままです。
(3)生活地域が広がったまま、人口が減っていきます。その結果として、インフラのコストが増大していきます。
例えば、ある町に病院が1件だったとしてます。町が発展して、町の面積が2倍になって、病院が2件設立させたとしてます。その後人口だけをを考えると、病院は1件で足りるようになりました。しかし、移動距離を考えると、病院を2件維持する必要があるかもしれません。居住地の分散を原因として様々な問題が生じています。
高齢化
(1)人口減少によって税収が減るが、社会保障費は増大します。
(2)社会サービスの質が低下し、格差の是正を行う財源が減少していきます。
インフラ老朽化
(1)道路、橋、水道管その他のインフラの老朽化が進んでいるが、これの更新費用が問題になっていきます。
(2)維持すべきインフラの絞り込みが必要です。
CO2排出量の削減(脱炭素)
持続可能な社会の実現のためにも、地球温暖化の防止、CO2の削減が必要です。
参考
日立東大ラボ 「Society(ソサエティ) 5.0 人間中心の超スマート社会」54頁以下