月平均所定労働時間の計算例
2023/04/17 更新
休日が不明確なことも多い
(1)雇用条件通知書に「土日と祝日が休み、年末年始、夏季休暇あり」もしくは、「土日が休みで、祝日は出勤日、その他会社が定める日を休み」と記載されるなど、1週間単位の出勤ルールが決まっていることが多いでしょう。
(2)問題になるのは、年末年始、夏季休暇が何日と保障されているかです。
(3)実際の年末年始の休みをカウントする。もしくは、会社が「年末年始の休みは2日である。」と主張し、社員が特にこれを争わなければ、それで年間の所定労働日数(会社と社員が働くことを約束した日)が決まります。
月平均所定労働時間の計算例
1 前提
ある会社の休みは、土日祝日は休みで、年末年始の休み及び、夏季休暇はないものとします。
2 計算方法
(1)例えば、令和3年(令和3年1月1日から令和3年12月末日)のカレンダーで確認すると、祝日は15日、土日は104日なので、土日祝日は119日です。・・・②
令和3年は閏年ではなく、365日です。・・・①
年間所定労働日数は、①-② =246日・(・・③)となります。
(2)1日の所定労働時間(1日働くと約束してた時間)が8時時間(・・・④)であるとすると、
年間所定労働時間= ③×④=1968時間(・・・⑤)
月平均所定労働働時間 = ⑤÷12か月
=164時間となります。(・・・(ア))
「年間の出勤日を参考に年間所定労働日数と計算すべき」との主張
(1)「年間の出勤日は、230日なので、これを年間所定労働日数と計算すべきである。」という主張がされることがあります。
(2)確かに、(出勤する約束だったが休んだ日)欠勤日もなく、(出勤する約束ではないが、出勤した日)終日出勤もなければ、確かに、「年間所定労働日数とカレンダーの出勤日は一致する。」はずです。しかし、そうである保障は何もありません。
(2)カレンダーを見ていると一定の法則を見つけることが来出ることがあります。そのような場合には、このようなアプローチで、所定労働日数(会社と社員が働くことを約束した日)を推察することはできますが、あくまで推察するものでしかないことに注意が必要です。
給与計算でよく使われる「月平均所定労働時間」
(1)給与計算をする場合、月平均所定労働時間については、休日を多めにすると160時間/月、休日を少なくすると173時間/月で計算することが多いです。
(2)160時間/月は、(ア)を参考に切りの良い数字を使っているだけです。
160時間は、土日が休日でかつ、祝日も休日である会社において、月平均所定労働時間を概算するときに使います。
(3)173時間/月は、以下のようにして計算した数字です。
52週/年 × 40時間/週 ÷ 12か月 = 173時間/月
173時間は、土日が休日でかつ、祝日は休みで無いない会社において、月平均所定労働時間を概算するときに使います。
(4)給与計算する場合には、(土日等が休みなのことは前提に)「祝日が休みの会社では160時間」「祝日が休みでは無い会社では173時間」どちらの数字を使うことが多いです。
173時間を使おうが、160時間を使おうが、実際の給与計算で金額が大きく変わらないので、概算で計算することはよくあります。