残業代を支払え、との内容証明が届いた
2023/04/07 更新
(1)従業員が退職し、弁護士を通じて、「未払いの残業代を支払え」との内容証明が届いた。
(2)会社側としては残業代を計算し、従業員側でも残業代を計算して、金額交渉していくこといなります。
(3)金額で折り合うことができなければ、労働審判や訴訟になることになります。
退職交渉
(1)在職中の従業員一人に100万円を支払えば、他の従業員にも同額を支払わなくてはならなくなります。
(2)残業代を支払うのは退職が条件となります。
民事保全
(1)相手方から仮差押え手続きをされることがあります。
(2)例えば、被告が土地などの財産を所有していても、土地を売却されてしまうと勝訴判決を取得しても被告からお金を回収することができなくなります。
そこで、あらかじめ被告の財産について、売ったり隠したりできなくする制度が民事保全(仮差押え)です。
(3)銀行口座がばれていますと預金の仮差押え、取引先がばれていますと請負代金等の仮差押えのリスクがあります。
労働基準監督署
(1)会社側として減額交渉するので、従業員にとっては楽しくありません。
(2)労働基準監督署に相談し、労働基準監督署から呼び出しがあることもあります。
(3)労働組合が介入したり、マスコミに取り上げてもらうようお願いする従業員側弁護士もいます。
和解交渉
(1)和解金の目安は証拠上裁判になった場合に認定されるであろう金額の8割の金額です。
(2)訴訟になった場合にも、裁判官は長々と審理するよりも早期の和解を勧めます。訴訟になったとしてもほとんどのケースでは和解によって終了します。
(3)会社としては、「〇円でなければ和解しない。」「嫌なら訴訟して下さい。」という形で、裁判前に減額交渉をすることになります。
付加金
(1)仮に、判決がでると付加金が付いて支払額が増えます。なお、裁判上になってから和解しても付加金はつきません。
(2)会社としては、未払い残業に関して支払う(負ける)方向でしか交渉できないのが実情です。
解決のタイミング
(1)簡単に、従業員に解決金を支払うと、他の従業員に話す可能性があります。未払い残業代請求をしてくる従業員が2名となれば、単純に支払額は2倍となります。
(2)訴訟等になれば支払額は増えますが、他の従業員の請求があるかを様子を見てから、解決金を支払うこともよくやります。