Q 訴訟物が決まれば、要件事実と主張事実はどうやって決まりますか。
2026/03/19 更新
訴訟物
(1)訴訟物とは、裁判における審判の対象のことです。
(2)旧訴訟物理論は、実体法の権利(請求権や、形成権)ごとに訴訟物を構成すると考えます。
要件事実と主張事実
(1)主要事実は、実体法上の権利の発生、変更、消滅を発生させる、法律上の要件に該当する具体的な事実です。
(2)要件事実については様々な定義があります。司法研修所では、実体法上の権利の発生、変更、消滅を発生させる、法律上の要件に該当する具体的な事実と定義し、主張事実を要件事実は同意義だとしています。
参考
司法研修所編「改定 新問題研究 要件事実」5頁
(2)請求原因と抗弁は主張事実に該当します。
抗弁
(1)抗弁とは、①その主張事実が請求原因事実と両立し、②その主要事実の効果が請求原因から生じる効果を阻害するものをいいます。
(2)両立しない事実であれば否認の理由であって、抗弁ではありません。
(3)抗弁は主要事実です。これに対して、否認の理由は、主張事実ではありません。
訴訟物が決まれば、請求原因と抗弁が決まります。
(1)訴訟物が「不法行為に基づく損害賠償請求権」であると決まれば、原告の請求原因と、被告の抗弁が決まります。
(2)例えば、請求原因は以下のように決まります。
| 原告の請求原因事実 ①不法行為の故意、過失 ②権利・利益の侵害 ③損害 ④因果関係 |
(3)被告の抗弁は以下のように決まります。
| 被告の抗弁 (1)例えば、被告が時効を検討するとき、原告が不法行為を選択したことで、起算点は貸付時(不法行為)となる。 仮に、原告が消費貸借に基づく返還請求権を選択していれば、起算点は、返済合意時となります。 (2) 例えば、被告が相殺の主張を検討するとき、原告が不法行為を選択したことで、被告はこの抗弁を提出できなくなります(民法509条) |






