Q 訴訟要件とは何ですか。
2026/03/18 更新
訴訟要件
(1)訴訟要件とは、本案判決をするために必要な要件である。
(2)訴訟要件は、本案審理よりも先に審査すべきである。しかし、現在の手続では、訴訟要件の審査を経てから本案の審理に入るという二段階構造は取られていません。したがって、両方を同時に審理することもできます。
(3)訴訟要件を欠くことが明確になれば訴えは却下されます。
口頭弁論終結時までに訴訟要件を満たせば、本案判決をすることができます。
訴訟要件が充足しているか不明であるが、本案について請求棄却となることが分かった場合に、請求棄却判決を出せるかは争いがあります。
(4)訴え却下判決では、訴訟要件の存否について既判力が認められます。例えば、訴えの利益、当事者適格の存否の判断について既判力が及びます。
参考
勅使川原和彦「読解 民事訴訟法」 8頁、9頁
岡口基一「要件事実マニュアル(第7版)第1巻」135頁以下
訴訟要件の具体例
訴訟要件としては、次のようなものがあります。
【裁判所に関するもの】
(ア) 事件につき日本に国際裁判管轄権があること
(イ) 当事者が日本の裁判権に服すること
(ウ) 事件が法律上の争訟に当たり、司法の審判権の範囲内に属すること
【当事者に関するもの】
(ア)当事者が当事者能力を有すること
(イ) 当事者が当事者適格を有すること
【訴え又は請求に関するもの】
(ア)訴状の送達が有効であること
(イ)訴えの利益が認められること
(ウ) 重複する訴えの提起の禁止 (法142条)、再訴の禁止 (法262条 2項)など法律上その訴えが禁止されていないこと
(エ)仲裁合意(仲裁法13条1項, 14条1項)、不起訴の合意など当事者の合意によりその訴えが禁止されていないこと
管轄権
(1)管轄権も訴訟要件に挙げられるが、管轄違いの場合、裁判所としては申立てにより又は職権で事件を移送すべきです (法16条)。 もっとも、専属管轄以外のケースでは、応訴管轄が生じる場合があります (法12条)。
参考
司法研修所監修「民事訴訟第一審手続の解説 第4版 事件記録に基づいて」22頁以下






