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予防法務

社会問題と自社の見解

2024/08/27 更新

社会問題は切り離せない時代

(1)グローバル化し、企業の活動は社会問題(宗教、政治、環境、人権)と抵触し、これを無視することはできない時代となった。
(2)例えば、トヨタ自動車が、ガソリン車の製造販売を維持する考えを示しました。他社が、環境電気自動車(EV)への完全移行にシフトするなかでは、明確な意思表示をしています。

社会問題についての「原則」を決める。

(1) どのような経緯で、ある事柄が社会問題化するかを予想することは困難です。
(2)企業として、社会問題についての自社の考え方を明確に決めましょう。
(3)どのような考え方が正解かは不明です。しかし、どっちつかずの対応は、両方の支持者から批判を受けることになります。

自社の考え方をしっかりと表明する。

(1)自社のビジョンにしたがって、自社の考え方をしっかりと表明しましょう。
(2)どっちつかずの対応は、両方の支持者から批判を受けることになりかねません。
(3)ある特定の考え方には、賛成者と反対者の両方が存在します。真摯に考えた上で結論であれば、かならず賛成者がいます。損得ではなく、自社のビジョンにしたがって、自社の考え方を表明しましょう。

簡単に、自社の考え方を撤回しない。

(1)簡単に自社の考え方を撤回してはいけません。
(2)世論に迎合して簡単に自社の見解を変えることにはデメリットもあります。
(3)ある特定の考え方には、賛成者と反対者の両方が存在します。真摯に考えた上で結論であれば、かならず賛成者がいます。損得ではなく、自社のビジョンにしたがって、自社の考え方を表明しましょう。
(4)短期的に、世論とぶつかる覚悟を持つべきです。
(5)長期的に見れば、自社の考え方に一貫性を持たせて、世論に迎合しない(一定するの支持者)に向けたメッセージを送る方がメリットがあります。

情報を収集する。

(1)社会問題化しやすい事柄(個人情報の取り扱い、ジェンダー、気候変動等)について、他社の事例を参考に自社であればどう考えるか、結論を出していきましょう。
(2)他社の動きも情報収集し、自社では、どのように考えるか結論を出していきましょう。
(3)倫理的な問題については、どんな小さな問題でも優先順位をあげて考えていくことが必要です。

ステークホルダーの反応を予想する。

(1)取引先、仕入先、社員、株主の意見は無視できません。
(2)しかし、満場一致の支持を受けるのではなく、自社のビジョンにしたがって、長期的に付き会っていきたいメンバーを決めて、そのメンバーの意見の最大化を図ることを目指すべきです。
(3)妥当な結論ではなく、自社らしい結論が必要です。自社のビジョン(企業文化)と整合しない、結論を出しても守れません。それは問題を大きくします。
(4)ステークホルダーの意見を聞くのではなく、反応を予想し、対処することが大切です。

他社と共同する

(1)社会問題化しやすい事柄については、同業他社その他といっしょに取り組むことが有益です。
(2)情報の共有や、自社に対する批判を緩和させる効果もあります。

参考

 ハーバード・ビジネス・レビュー2023年4月号40頁以下

 ハーバード・ビジネス・レビュー2024年4月号106頁以下

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