【両利きの経営】両利きの経営と新規事業の成功例
2024/01/10 更新
新規事業の分類
新規事業の成功例は以下のように分類できると言われています。(なお、アメリカの論文の分析です。)
(1) 新規事業の成功例の3分の1は、中核事業の次世代バージョンです。
例 銀行が新しいネット銀行を行う場合にはこの部類に入るでしょう。
(2) 新規事業の成功例の半分は、中核事業と関連があった市場に、既存事業の資産と新しいテクノロジーを活用したパターンです。
例 富士フィルムはこの分類に入るでしょう。
(3) 新規事業の成功例の5分の1は、既存の事業とは無関係に、新規事業に大規模な新規投資を行い、市場リーダーを占める(一定以上のシェアを奪う)パターンです。
逆に言えば、一定以上のシェアを奪える計算があって初めて行える戦略です。
例 ソニー損保、ソニーのゲーム市場もこの例もしれません。
新規事業の成功の要素
新規事業の成功例には、以下の4つの要素が必要とのことです。
① 利益が確保できること、②その分野で世界一になれる見込みがあること
これは、ハリネズミの概念でも指摘されています。
③起業家のマインドを持っていること、④中核事業の資産を活かせること
これは両利きの経営でも指摘されていいます。
新規事業が失敗する要素
新規事業が失敗する要素としては以下のケースが指摘されています。
(1) 経営資源の選択と集中ができていないケース
(2) 覚悟が足りないケース(スピーディに大規模な投資ができない場合)
(3)リーダーシップが欠如しているケース
(4)既存事業(中核事業)からの敵意を調整できないケース
(5)差別化した商品・サービスを生み出せないケース
参考
ハーバードビジネスレビュー2022年8月号98頁