判例(非上場株式を3分の1の価格で譲り受けて、当該会社に対しその株式を購入させることを専門に行なっていた会社が、譲渡承認請求をして、売買価格の決定の申立をすることが弁護士73条に違反するとされた。)
2025/05/06 更新
少数株主権
非上場株式の株主は、配当の決定について影響力を持たないし、役員になることもできず役員報酬を得ることができない。したがって、その株式の取得を希望する者が現れない限り、投下資本を回収する手段を持たない。
非上場株専門の株式買取会社
(1)当該専門会社は、非上場の譲渡制限株式を適正価格(公認会計士が査定した価格)の3分の1の価格で、買取価格と適正価格の乖離を認識しつつ、それを告げずに、譲渡制限株式を買い取った。
(2)同社は、これを専門に業務として行っていた。
(3)当該株式について譲渡承認請求がされ、当該会社との間で価格について合意ができなかった。
(4)同社は、売買価格の決定の申立をしたが、同請求は株式の売買価格の紛議を助長するものであるから、弁護士73条に違反するとされました。
大阪高判令和6年7月12日
判例タイムズ1530号86頁