Q リーダーとして、他人の意見を聞くとは、どういうことなのか。
2025/05/12 更新
Q 自分の経験でダメだと思ったときでも、他人の意見を取り入れるべきか。
(1)経験者(上司)としては、各員の意見を全て採用すると、結果が予想できません。
(2)自分の意見(経験)で判断したら、現状について経験に基づいて対応できます。
(3)しかし、自分の世界観だけで判断するのであれば、イノベーションをおこせません。
(4)したがって、自分の意見で8割、他人の意見で2割の割合で進めていくイメージでよいでしょう。
Q 自分の経験でダメだと思うが、そこまで言うなら任せてみようと考えたときに、責任者としてすべきことは何か。
(1)自分の経験では、ダメだろうと思う案について、他人の経験に委ねることも必要です。そうしなければ、自分の世界は広がりません。自分の経験ではダメだと思う案について、他人の案を採用する場合、どうやってリスク管理をするべきでしょうか。自分の経験では結果が見えないから問題となります。
(2)おすすめは、その人物にメリット、デメリット、リスクについて文書で出してもらうことです。
どこまで、検討した発言なのかを確認してスタートさせましょう。
(3)折衷案にしない。折衷案となると、何の効果もなくなることが多いです。
したがって、基本は撤回なのか、そのまま進めるかを意見を聞いて判断することになります。
(4)反対意見を採用できなかった場合には、理由を説明し、個別に謝罪するなどして、礼を尽くしましょう。
Q リーダーとしては、意見を求めるのであれば、ある程度、方向を示してから意見を聞くべきでしょうか。それとも、みんなの意見をまず聞くべきでしょうか。
ダメなスタート
(1)意見を聞いてから、スタートする。
(2)意見がでない。スタートできない。
リーダーから意見を言う。
(1)やりたいことを明確にしてから、意見を聞きましょう。この場合、メンバーの発案であっても、基本的には、リーダーがやりたいことかのように話しましょう。発案者を守るため、できるだけ発案者を匿名化させましょう。
(2)リーダーが絶対ダメな意見をいって、その駄目案からスタートする、という方法もあります。
Q 自分の意見が正しいとして、それを説明しても、全員の理解を得られることはありません。リーダーが自分で発案した意見について、「正しいから」という理由で、そのまま採用すると、「他人の意見を聞かない人」という印象になります。どうしたらよいでしょうか。
他人の意見を反映させた実績を作ろう。
(1)意見を聞くということは、結論に影響を与えた実績を作る(行動する)ことです。
(2)自分が意見を伝えて、その内容が反映されなければ、意見をいう人が減っていきます。10件の意見があれば、そのうち1件について結果に反映させるようにしましょう。
(3)自分の意見が正しいと思っても、結果に重大な影響を与えないのであれば、相手の意見に従うことで、他人の意見を聞いた実績を作りましょう。
ダメな意思決定
(1)最初のリーダーの意見のまま進めるのは危険です。
(2)たとえ、リーダーの意見が正しくても、それを押し通した結果、「話を聞く。」リーダー像に大きな傷ができることを自覚しましょう。
(3)そもそも、リーダーは正しいと思って自分の案を出しています。客観的に言えば、他人に意見を求めて、反論して、結局、自分の意見をいう人になっています。
折衷感は意味がない。
(1)折衷感は意味がありません。折衷案にすると、効果が薄れ作業だけが残ることの方が多いでしょう。
(2)したがって、「撤回するのか。」それとも、「その案を押し進めるか。」どちらかになります。
自分の意見の撤回はポイントとなる。
(1)自分の意見を撤回することはかっこ悪くありません。
(2)反対意見を聞いたという、「話を聞く。」リーダー像のポイントの稼ぎどころだと考えましょう。
Q 全員の意見を聞くと、結局は、リーダーが自分の意見を押し通すだけの人になります。なぜでしょうかか。
全員の意見を聞いてはいけません。
(1)意見を言わない権利も保証しましょう。無理に聞いても、リーダーに迎合的な意見がでるだけです。
(2)全員の意見を聞くと、最終的には、無意識的に、自分の意見を押し通す結果を作ることになります。
自分にとってきつい意見をいう人の意見を大切にしよう。
(1)最初は、自分にとってきつい意見をいう人を大切にし、その人の意見を大切しましょう。
(2)その人には、自分の意見ではなく、多数の意見を代表して述べるようにお願いしましょう。
(3)筋道を立ててしっかりとした意見をいう、うるさい人の意見を採用して、 「人の話を聞く人」というブランディングを作りましょう。
Q 出てきた意見を全て対応することは不可能ですが、どうしたらよいですか。
出てきた意見全て対応する必要はない。
(1)自分が意見を伝えて、その内容が反映されなければ、意見をいう人が減っていきます。しかし、全ての意見を採用することはできません。したがって、10件の意見があれば、そのうち1件について結果に反映させるようにしましょう。
(2)反対意見を採用できなかった場合には、理由を説明し、個別に謝罪するなどして、礼を尽くしましょう。
一つの意見の実現に全力集中する。
(1)他人の意見10件のうち、1件は全力を尽くして実現しましょう。
(2)八方美人は目指してはいけません。やれることは少ない、時間もない。全部の意見は聞けない。だからこそ、大切な反対意見だと感じれば、その意見に全力を作りましょう。