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予防法務

Q 副業・兼業を禁止することができるのは、どのような場合なのか。

2025/05/09 更新

副業・兼業と会社のリスク

(1)会社は、労働時間に限り、社員に対し命令を出す権限を持っています。したがって、それ以外の時間については、会社は何ら要求することができないのが原則です。

(2)しかたがって、以下のように、合理的理由がある場合に限って、会社は副業を禁止できます。

 ①本業に支障が出る可能性

  深夜のアルバイトが原因で、本業で居眠りする。

  アルバイトのために、本業での残業を断る。

 ②企業秘密を漏洩する可能性

  協業他社で働き、会社のノウハウを他の会社で活用してしまう。

 ③会社の名誉や信用を既存する可能性

  会社の裏話をyoutubeで話していまう。

  (参考 ビジネスガイド2025年2月号108頁)。

 ④協業して、会社の利益を損なう可能性

  協業の会社を起こして、会社のノウハウを他の会社で活用してしまう。(②と④は、重なることが多い。)

 ⑤社員の体調管理に問題が生じる可能性

  アルバイトを含めると長時間残長となって、体調を崩す。

判例

①本業に支障が出る可能性

東京地決昭和57年11月19日労判397号30頁
 建設会社の事務員が、勤務後、午後6時から午前0時までキャバレーで会計係等として勤務することを約11か月間継続していたこと等をもって普通解雇とした事案について、兼業先での勤務時間の長さや勤務が深夜に及ぶことからら、労務の誠実な提供に支障を来す蓋然性が高いとして、実際に業務時間中に居眠りをしていた等の事情も踏まえ、普通解雇を有効と判断した。

京都地判平成24年7月13日労判1058号21頁
 大型貨物自動車の運転手によるアルバイト許可申請を4度にわたって不許可にしたことについて、労働時間が1日当たり合計15時間にもなるようなアルバイトの不許可については合理性を認めつつ、週に2日休日がある中の3時間程度就労するに過ぎないアルバイトの不許可については、従業員のアルバイト就労を不当かつ執拗に妨げる対応であり、不法行為に該当するとした。

④協業して、会社の利益を損なう可能性

東京地判平成2年3月23日労判559号15頁

 商品部長という要職にあった者が、勤務先の業種と同種の靴小売店を経営し、勤務先の取引先から商品を仕入れ
る等したことをもって懲戒解雇とした事案において、勤務先との信頼関係を損なう背信的行為であるとし、その他、商品納入会社にリベートを要求し、収受した行為と併せて懲戒解雇を有効と認めた。

⑤社員の体調管理に問題が生じる可能性

大阪高判令和4年10月14日労判1283号44頁

(1)勤務先と兼業先で働いていた者が、長時間残業が原因で適応障害を発症させた。勤務先と兼業先の勤務ではあるものの、勤務場所が同一の店舗 (給油所)であり勤務先と兼業先が関係にあり、長時間残業を把握できたとして、勤務先の安全配慮義務違反が認められた。

(2) 基本的には勤務先が兼業先での労働時間を把握することは困難であり、本件は特別の事情があった案件だと言われています。

 ビジネスガイド2023年6月号94頁

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