Q 女性弁護士の社外取締役の課題は何ですか。
2025/05/25 更新
女性弁護士の社外取締役
(1)女性弁護士を、役員の男女比率の数合わせで選任・就任する例も少なくない、と言われています。
(2)これに対しては、企業側及び女性弁護士の両方に問題があるといわれている。
企業側の問題点
(1)企業側が、女性弁護士に対し社外取締役に就任してもらうあたって、どんな活躍をすることを明確にしていないことが問題である、といわれている。
(2)取締役会の役割としては、経営の「助言」と、「監督」の2つがあるが、企業側が「監督」ではなく、「助言」を主に求めていることが多い。そもそも、弁護士は、経営の経験があるわけではなく、求められているスキルとの間にミスマッチが生じることがあると言われている。
女性弁護士側の問題
(1)社外取締役としての監督機能は、あくまでも、「攻め」とのバランスを考えたうえでの「守り」であるために、弁護士業務において蓄積されるノウハウとは異なる。
したがって、求められる研鑽を積むことが難しい。
(2)責任問題等を考えると、社外取締役が、過度にブレーキを踏むことがある、とも言われる。
(3)なお、これらは、女性弁護士一般の問題ではなく、弁護士一般の問題である。
参考
自由と正義2025年5月号27頁以下