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中小企業のIT化・DX

web3(ウェブ3)の限界

2023/05/13 更新

web3(ウェブ3)

(1)web3は、ブロックチェンの技術を利用し、企業や国等(の管理)を排除して、利用者がウェブ上の権利や情報を管理する技術nです。
(2)web3は、企業や国等(の管理)を排除して、利用者がウェブ上の権利報を管理するべきという世界観でもあります。

ブロックチェーンの限界

(1)ブロックチェーンには、以下の限界があります。
(2)web3を活用できる領域と、活用できない領域が今後明確になっていきます。

非効率性

(1)ブロックチェーンでは、同じ情報を複数のパソコンに記載します。
(2)ある企業のパソコンでシステムを動かすのと比べれば、ブロックチェーンでの処理はは非効率的です。
(3)ブロックチェーンの処理は遅く、環境への負荷が大きい。

保存できるデータ量が少ないこと

(1)ブロックチェーンは非効率であり、1メガバイトのデータを記録するとれば、数千ドルの取引手数料がかかります。(この取引手数料は、「ガス代」と表現されることになります。)
(2)ブロックチェーンに記載できるデータはお送りません。
(3)例えば、BさんがAの絵のNFTを購入したとします。しかし、NFT(ブロックチーン)で記載されているのは、「Aというデータについて、どんな権利かは不明であるが、その権利を持つのはBさんである。」にとどまります。
 Aの絵のデータはある会社のサーバに保存されます。保存先との契約が切れてAの絵のデータが紛失するリスクがあります。

削除が不可能であること

(1)ブロックチェーンに書かれた情報は改変できません。
(2)つまり、ブロックチェーン上の情報が不適切であるとしてもこれを削除することができません。

全ての情報が公開されてしまうこと

(1)ブロックチェーンでは、全ての情報が公開されます。
(2)寿司屋さんで2万円の食事代を仮想通貨で支払えば、そのことが公開されてしまいます。
(3)プライバシー情報を記載することはできないでしょう。

企業や国等(の管理)の関与を排除しきれない

(1)魅力あるプロジェクトの維持には、優秀な旗振り役が必要です。実際の、ブロックチェーンのプロジェクトでは、世界中の誰でも許可なく、参加できる仕組みとなっている(パブリック・ブロックチェーン)ものの、もともとのプロジェクトの発案者が参加者の一人という立場で、特定の意見を対外的に発表して先導するものもあります。
(2)ブロックチェーンのプロジェクトでは、旗振り役が存在し、そもそも、企業や国等(の管理)を排除することは難しいです。

責任が不明確である。

(1) ブロックチェーンのプロジェクトには正式な運営者がおりません。
(2) したがって、そのプロジェクトが詐欺ではないことを保障する者もいなければ、その運営の適法性を保障する存在もいません。


web3(ウェブ)のバブル

(1) 以上の限界について十分な議論がされているとはいえず、web3(ウェブ)への期待がバブルを起こしていることは事実です。
(2) しかし、そのことは、web3(ウェブ)の技術・概念の価値を否定する理由にはなりません。
(3) 全ての企業は、web3(ウェブ)についてどのように活用できるか考えていく必要があります。

参考

 ハーバードビジネスレビュー2022年12月号94頁
 ハーバードビジネスレビュー2022年12月号110頁

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