ノーコード開発
2023/10/07 更新
ノーコード開発
(1)プログラム言語を使わなくても、システムが開発できる、というノーコード開発のツールがあります。
(2)プログラム言語を知らなくても、システム開発ができるということで、注目が集まっています。
「キントーン」「アップ シート (App Sheet)」「パワー オートメイト デスクトップ(Power Automate Apps )」等の商品があります。
ローコード開発のメリット
(1)プログラム言語を知らなくても、システム開発ができるというのがメリットです。
(2)システム開発はIT業者にお金を出せば開発できるものではありません。例えば、運送会社が業務の一部についてシステム開発をIT会社に依頼するとします。IT業者は、運送業務について知りません。発注者から言われた機能を追加するのが仕事です。
しかし、発注者が必要な機能を全て言語化して使えること不可能に近いです。
IT業者にシステム発注したが、実際に完成したものが使えない、ということはよくあります。
(3)ノーコード開発(ローコード開発)では、現場の人がシステムを開発できる。つまり、現場の人たちが、自分たちで何度も作り直しながら、「使えるシステム」を作れる可能性を秘めているわけです。
ローコード開発の限界
(1)システムの自由や拡張性に限界があります。例えば、Aというツールで作れるシステムは、Aというツールに備わっている機能の範囲でしか開発できません。
例えば、システムをAというツールを作ってみようという話になって、作ってみたところ、後日になってAというツールでは作れないことが分かるということがあるわけです。
ツールの選択という最初のステップが大切になります。
(2)課金のシステムがあり、割高になることがあります。特定の機能を使うには別途課金となっていることがあり、思った以上に維持、開発に費用がかかるということがありえます。
(3)修正についてIT業者に依頼すると割高になる可能性があります。ローコード開発も始まったばかりであり対応できるIT業者が限られます。費用が割高になることがあります。
(4)会社のIT化の手段として、ローコード開発を採用する場合、作りたいシステムによって、複数のツールを勉強していくことが必要になります。そうなってくると、ローコード開発であるから、導入コストが下がるという結論になるわけではありません。
会社の課題全てをローコードで開発するのではなく、ローコードで開発するのが適切な部分に限って、ローコードで開発するのが正解です。
ローコード開発と経営戦略
(1)ローコード開発については、作れるシステムの内容・範囲がツールによって変わってくる。そして、その限界は、ある程度開発を進めてみないと分かりません。
したがって、以下の観点で進めるのがよいでしょう。
(2)同業他社がローコード開発で成功している場合に、これを真似て同じ、ソフトを使って開発を進めるのであれば弊害は少ないです。
(3)ローコードの勉強をしてみると、ローコードで開発できる部分の仕事を探して、それをIT化してしまう誘惑にかられます。目的が、IT技術の習得であるのであればそれでよいですと思います。しかし、業務効率化であれば、会社の課題を見つけて、その課題に優先順位を付けて、取り組むというノウハウが必要です。
会社の課題を見つけて、専門家と相談して、適切なツールを選ぶことが必要です。
(4)もう一つの考え方として、社員のITリテラシーの向上のための投資として割り切って、ノーコード開発(ローコード開発)を採用することが考えられます。
日本のIT化が遅れている原因として、社内のSEの不足が指摘されています。社内にSEがいるとしても、別会社の社員(別会社から出向されている社員)であることはよくあり、ノウハウが蓄積されていません。
IT開発を行うことは、現場の仕事を言語化して、システム上必要な機能を明確化するノウハウが必要です。ノーコード開発(ローコード開発)の経験はそういった感性を育ててくれます。
社内でシステム開発を進めるとして
(1)社内でシステム開発を目指す場合には、以下を考慮してツールを選択することになります。
つまり、そのツールによって作れるシステムの内容・幅、習得の難易度、勉強するための教材の多さが参考になります。
(2)これらを考慮すると、私見としては、ローコードツールよりは、GAS(グーグル)、VBA(マイクロソフト)から始めるのがお勧めです。