【採用面接の質問】前の職場とのトラブル、前科や、精神疾患の有無を聞いてもよいのか。
2024/08/04 更新
前科や精神疾患を聞いてもよい。
確かに、精神疾患、前科は(プライバシー性が高い)要配慮個人情報です(個人情報保護業2条3項)。しかし「前職の退職時に会社とトラブルになったかどうか」「精神疾患の有無」「前科の有無」、本人の業務能力と関連があり、これを聞いても違法ではありません。
これらについて虚偽の回答したことが経歴詐称(解雇理由)となるか。
(1)本人にとってみれば、やり直す機会を保障する必要があります。例えば、「精神病を原因として1か月以上、休職したことがあるか。」という質問について、「ありません。」と虚偽の回答をしたとしても、経歴詐称(解雇理由)には原則なりません。
(2)もっとも、採用面接時に、精神病の治療中であり、業務遂行能力を果たせない可能性が高いと分かっていたときには、 経歴詐称(解雇理由)になる可能性があります。
質問シート
これらの事項について質問シートを作って、これらについて聞くことを社内ルール化する方法もあります。
育児状況、介護状況
(1)育児や、介護状況も、離職や休職の原因となります。
(2)これらの情報は、本人の能力だけではどうすることもできない事情です。しかし、本人の業務能力と関連があります。
(3)例えば、小さなお子さんがいる場合に、「お子さんが熱を出された場合には、どのように対応しますか。」と、実際の業務のオペレーションの問題として聞く分には問題がないでしょう。
参考
ビジネスガイド2022年5月74頁以下