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民事訴訟

Q 他人が、当事者として活動した訴訟について、本来の当事者はどのような救済を得ることができるか。

2026/03/24 更新

氏名冒用訴訟

(1) (ア)訴状に記載された当事者(原告と被告)が、(イ)当事者として裁判上活動する(被告として訴状を受けることを含む)のが原則である。これを欠く場合には、本来の被告はどのような救済を受けることができるか。

(2)これらの問題の本質は、本来の被告において、訴状の送達を受けておらず、反論の機会がなかったことである。

当事者の確定

(1)裁判所で当事者として振る舞った者である(行動説)という説がある。同説により、判決の効力は当事者に及ばないという考え方もある。この考え方を推し進めれば、氏名冒用訴訟の判決には既判力がなく、再審手続以外の手続(控訴の提起、請求異議の訴え)を利用すべき、と考えることになる。

(2)しかし、訴状に記載された当事者(原告、被告)が訴訟の当事者となる(表示説)が通説である。

当事者の基準
(1)当事者の基準にはどのような説がある。
(2)基本的な考え方として、以下の3つの考え方がある。

 ①訴状に記載された当事者(原告、被告)が訴訟の当事者となる(表示説)
 ②原告の意思によって当事者が決まる(意思説)
 ③裁判所で当事者として振る舞った者である(行動説)

(3)もっとも、意思説や、行動説では、どのような意思、どのような行動で当事者が決まるのか明確にならない。
 したがって、当事者とは、訴状に記載された当事者とする考え方(表示説)が通説である。

救済の手段

(1)訴状の送達等が無効であっても、形式的には既判力が生じている。訴状が送達されていないことは、無権代理人が訴訟活動したことで、手続きに関与することができなかったことに準じる(民事訴訟法338条1項)。誤った既判力の効力を無効にすることを前提とした、再訴によるべきである、という考え方もある。

(2)加えて、民事訴訟法338条1項の但書によれば、控訴が出来る場合には、控訴の手続きによるべきとされている。したがって、控訴の手続ができる場合には、再訴の手続きは使えないという考え方もある。
 もっとも、訴訟送達等がされていない場合には、第一審での手続保障を全く欠くことになるから、同但書は適用されない、という考え方もある。

(3)これに対して、訴状の送達は無効であるから無効な判決には既判力が生じない。既判力を前提とする再訴の手続に限定されない。

 もしくは、不当な判決については広く救済を求めるべきであり、控訴の提起、請求異議の訴え、再訴どれも利用できる、という考え方もある。

参考
 越山和広「ロジカル演習 民事訴訟法 補訂版」 1頁以下

 名津井吉裕ほか「事例で考える民事訴訟法 」56頁以下 

民事訴訟法338条(再審の事由)
1項 次に掲げる事由がある場合には、確定した終局判決に対し、再審の訴えをもって、不服を申し立てることができる。ただし、当事者が控訴若しくは上告によりその事由を主張したとき、又はこれを知りながら主張しなかったときは、この限りでない。
 (省略)
三 法定代理権、訴訟代理権又は代理人が訴訟行為をするのに必要な授権を欠いたこと。

2項 前項第四号から第七号までに掲げる事由がある場合においては、罰すべき行為について、有罪の判決若しくは過料の裁判が確定したとき、又は証拠がないという理由以外の理由により有罪の確定判決若しくは過料の確定裁判を得ることができないときに限り、再審の訴えを提起することができる。
33項 控訴審において事件につき本案判決をしたときは、第一審の判決に対し再審の訴えを提起することができない。

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