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民事訴訟

Q 口頭弁論終結後の承継人とは何ですか。

2026/03/25 更新

既判力の人的範囲

(1)既判力は、当該確定判決に係る訴訟の当事者に限られるのが原則です。

(2)民事訴訟法115条1項に規定される者や訴訟脱退者(48条、50条、51条)にも拡張して及ぶ。

民事訴訟法115条 (確定判決等の効力が及ぶ者の範囲)
1項 確定判決は、次に掲げる者に対してその効力を有する。
 一 当事者
 二 当事者が他人のために原告又は被告となった場合のその他人
 三 前二号に掲げる者の口頭弁論終結後の承継人
 四 前三号に掲げる者のために請求の目的物を所持する者
2項 前項の規定は、仮執行の宣言について準用する

「口頭弁論終結後の承継人」の具体例

(1)前訴の訴訟物である権利義務関係を譲り受けた者は、口頭弁論終結後の承継人です。

(2)相続人、 吸収合併存続株式会社など前主の法的地位を包括的に引き継ぐ包括承継人は 承継人にあたる。 また、前訴判決で確定された金銭債権の譲受人や、訴訟当事者から目的物の所有権を譲り受けた第三者などの特定承継人も含まれる。

判例の立場は、民事訴訟法115条1項3号の承継人について、① 前訴確定判決の訴訟物である権利義務自体を承継した者、 ② 訴訟物である権利義務を先決関係とする権利義務を承継した者のみならず、③前訴の口頭弁論終結後に係争物の所有名義または占有を承継するなどした第三者が現れたときに、実体法を適用した結果、 前訴の当事者の地位に依存する関係に立つ者と判断された者を「口頭弁論終結後の承継人」 と認めています。
(田中豊 「論点精解 民事訴訟法〔改訂増補版〕」 69頁以下。)

「口頭弁論終結後の承継人」承継人の定義

承継人理由
訴訟物となる権利関係の権利者もしくは義務者という当事者適格を承継した者である。(適格承継説)適格承継説は、承継人の地位を訴訟物たる権利関係の当事者適格の点で説明しようとする立場です。
紛争主体たる地位を承継した者である。(紛争主体説)(1)紛争主体説は、当事者適格(訴訟物)の承継以外でも、承継人となることを説明する立場です。
(2)しかし、紛争主体という意味は不明確です。
実体法上、前訴の当事者の地位に依存する関係に立つ者である。(依存関係説)依存関係説は、訴訟物と関係なく、実体法上の解釈によって既判力の拡張を認めるものであり、既判力論と整合しない。
(長谷部由起子「基礎演習 民事訴訟法 第3版」181頁以下)。

既判力の拡張(形式説と実質説)

1 適格承継説と形式説と実質説

(1)適格承継説が有力説です。(長谷部由起子「基礎演習 民事訴訟法 第3版」181頁以下)。どの説をとっても、口頭弁論終結後の承継人の範囲は変わらない。(越山和広「ロジカル演習 民事訴訟法 補訂版」150頁)

(2)上記の「口頭弁論終結後の承継人」の定義を満たすことに、形式説と実質説が議論されています。

2 問題点

 口頭弁論終結後の承継人(民事訴訟法115条1項3号)は、当該確定判決に係る訴訟の当事者ではないが、判決の効力を受ける者となります。承継人は、前主の手続保障によって主張すべきことは代わりに主張してもらっていることが既判力が及ぶ根拠となります。しかし、第三者が固有の攻撃防御を有する場合にはこれを保障する必要があります。

3 形式説

 形式説は、「当事者適格を承継した者は、「口頭弁論終結後の第三者」にあたるが、同人が固有の攻撃防御方法を主張することはできる。」という考え方です。

4 実質説

(1)実質説は、「固有の攻撃防御方法を有する者は、「口頭弁論終結後の第三者」にあたらない。」という考え方です。

(2)判例(最判昭和48年6月21日民集27巻6号712頁)は、実質説を採用したと言われます。

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