セクハラ研修
2021/06/07
1 効果的なセクハラ研修
ハーバートビジネスレビューの2021年3月号では、セクハラの研修について、以下のような研究結果が出されています。
アメリカの実情と、日本の実情とは異なりますが、どんな研修が効果的だったとするのかは、興味があります。
アメリカの論文の内容
「あれしてはいけない。」「これをしてはいけない。」という禁止行為についての研修は効果が低い。
「こういうケースを目撃したら、このように注意すべきである。」との、セクハラを目撃した第三者に向けた研修は効果的である。
管理職向けのセクハラ防止研修は効果的である、と結論付けている。
私見(その1)
セクハラの意識が低い人に対し、あれはダメ、これはダメと注意しても、効果が薄いという内容には納得である。
第三者が、セクハラ行為を目撃したときに、どうしたらよいかという形でのセクハラ研修が効果的であるというのは納得できる点が多い。
例えば、取引先の社長が、自社の女性社員に「食事に行きたい。」とオファーを出した、これを聞いた上司はどう対応すればよいか、等のケーススタディーでの対応をみんなで話し合う研修は効果的であろう。
私見(その2)
セクハラは、相手が嫌がる性的な言動である。相手の気持ちを知ることは重要である。上記の論文にはなかったが、いろいろな性的な言動について、他人がどう思うかを知る研修は役立つと考える。
月間大阪弁護士会という雑誌の2013年8月号に、参考になる資料がある。
性的言動が列挙され、セクハラと思うかどうかについて、職場でアンケートをとって、これを職場で共有することには意味があると思われる。
もしくは、アンケートを一緒に作ることも、セクハラ研修になりえると思われる。
記(アンケート)
1 夜に二人だけ食事に誘う。
2 職場のパソコンで、水着の画像を見る。
3 「〇〇ちゃん」とあだ名で呼ぶ。
4 「最近、やせた。」と声をかける。
5 話しかけるときに、顔を近づける。
6 プライベートなライン、メールを送る。
7 「結婚はまだ。」「子供はまだ。」と聞く。
8 「かわいいね。」「美人だね。」と褒める。
9 「疲れたね。」と肩をもむ。
10 職場で、性的な会話をする。
11 「うちのこに行かせます。」と発言する。
12 「モデルや芸能人の写真を見せて、この服似合いそう。」と発言する。
13 「最近、いつ、エッチしたの?」と聞く。
14 「最近、彼氏とどう?」と異性との交際について聞く。
15 「おい。」「お前。」と呼ぶ。
16 合コンのセッティングを部下に頼む。
17 見合い相手を紹介するという。
18 お未開の席で、お酌をするようにいう。
19 「女の子にお茶を入れてもらったらおいしい。」という。
20 「やっぱり、スカートがいいな。」という。
21 取引先に、「うち一番の美人の〇〇です。」と紹介する。
22 飲み会に出席するようにいう。
23 下着をプレゼンとする。
24 「イライラして、生理か(更年期か)」と聞く。
25 仕事について、「女の子だから」と発言する。
26 恋人のプレゼントを購入してほしいと頼む。
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