Q 公益通報について調査し回答したが、通報者が納得せずに、何度も調査を求める場合どうすればよいのか。
2025/07/18 更新
二度目の公益通報
(1)匿名でも公益通報である以上は、適切な対応が必要です。
(2)調査の結果、通報された事実が確認できないことがありえます。その場合に通報者が納得せずに何度も調査を依頼してきた場合にどのように対応すべきでしょうか。
執拗な通報への対応
(1)もちろん、調査が不適切な場合には、調査のやり直しが必要です。
もっとも、企業として、調査が不適切だったとして、調査のやり直しを認めることは難しいでしょう。
(2)その場合に、通報者が納得せずに何度も調査を依頼してきた場合、企業としては最初は、「どんな調査をしたのか。」ということをしっかりと説明をすべきでしょう。
(3)仮に、それでも、通報者が納得せずに何度も調査を依頼する場合には、不当な業務を求めるものであるとして、調査を求めていることについて処分することがありえます。
(4)このようなケースでは、従業員が会社の不満を他の社員に触れ回ることが多いでしょう。その場合には、何度か注意した後に、それでも改善が認めらければ、最終的には解雇等をすることも検討することになります。 (東京地判令和6年6月27日 労判1326号14頁)
なお、解雇が有効に成るには、企業の調査が適切に行われていることが要件になるでしょう。
参考
ビジネスガイド2025年8月号107頁