「記録を読むとき」の判例調査・文献調査
2024/08/27 更新
新人弁護士と事件記録
(1)新人弁護士の場合、事件の全体像がなかなか見えません。
(2)事件処理の初期の段階では、最終的な流れを予想して証拠収集や、ヒアリングをする必要があります。
(3)そこで、いきなり事件を最初から任せるのではなく、途中の事件に加わるように言われることがあります。
薄い本を読む。
事件に関する短い薄い本を一冊読んで、全体的な知識を確認してください。
論点と問題となる法律の知識を確認する。
(1)準備書面でいろいろな判例が引用されていることがあります。しかし、どの判例が本当に重要なのかを見極めるのは難しいでしょう。
(2)本件で問題となっている論点(試用期間満了による解雇が認められるか。)や問題となる法律知識(例えば、有期雇用)を確認します。
本件で、本当に問題となるのはどの点なのかを把握するには経験が必要です。この点は先輩弁護士に質問してよい事項です。「この記録の論点は〇と●●が問題となっていると理解してもよいでしょうか。」と質問して先輩弁護士に確認しましょう。
確かに、あらゆる論点について主張してしまいたくなる気持ちは分かります。しかし、そのような文章は、裁判官にとってみれば、分かりにくい文章にすぎません。また、本当に、重要な論点への考察が浅くなってしまいます。
(3)次に、問題となっている論点、法律知識について、裁判官が執筆した専門書を読み込んで下さい。
そこで、裁判官が引用している判例は当然重要な判例ですから、その判例をチェックして調べて下さい。
相手方が、いろいろな判例を引用したり、いろいろな主張をしてもつられて反論してはいけません。真に的を得た反論にのみ反論することが分かりやすい文章(裁判所に伝わる文書)を作ることになります。
仕事をするうえで必要な知識は必ず勉強しましょう
(1)仮に仕事をするうえで、これらの知識の取得をしてもらわないと、何も仕事をおねがいできません。
(2)まずは、記録を読んで、必要な法律知識を確認して下さい。
専門書をカバンに入れる
(1)専門書をカバンに一冊入れておきましょう。
(2)移動時間、隙間時間を有効に活用して下さい