(なぜなぜ分析)MMOTの概略
2024/08/27 更新
MMOTの概略
(1)なぜなぜ分析については、MMOTというフレームワークがあります。
(2)MMOTは、以下に分けて、問題点を考えるフレームワークです。
①問題点を確認する。
②どのように、そのことが起きたのか、時系列を確認する。
③同じ失敗を起きないように、対策のルールを考える。
④③のルールを守れているか、これを確認する仕組みを考える。
MMOTの活用例
(1)MMOTは、言い訳を許さず、問題の本質に着目して改善の適否を考えるフレームワークです。
(2)部下への指導だけでなく、組織開発にも使えます。
MMOTで組織開発をする場合
(1)MMOTを全社で利用する場合には、トップと幹部とのコミュニケーションに利用し、その後レクチャーを受けた幹部が部下に使って浸透させていくことになります。
(2)MMOTは、言い訳を許さないフレームワークであり、態度が悪いが仕事ができる社員がいる場合には、その社員に変わってもらうか、退職等の結末を迎えるしかありません。組織として利用する場合には、これらの覚悟が必要です。
参考
ロバート・フリッツ (著), ブルース・ボダケン (著), 田村 洋一 (訳),「マネジメントの正念場 真実が企業を変える」 231頁以下
1 問題点について確認する。
(1)問題点を端的にして指摘する。
上司
「●●の書面の提出時期は、〇日で、本日は×です。」「Aさんは、営業部のリーダです。」
「これは、間違いない前提で初めてよいですか。」
A氏
「この件については、担当のBが急に休みまして。」
上司
「MMOTのフレームワークで事実を確認しています。まずは、事実の確認をする段階です。」
「●●の書面の提出時期は、〇日で、本日は×です。」「Aさんは、営業部のリーダです。」
「これは、間違いない前提で初めてよいですか。」
(2)言い訳を封じる
「言い訳を許さない。」ことが大切です。
「あやふやな回答」
A氏の言い訳
「仕事はほとんど完成しています。」
上司
「MMOTのフレームワークで事実を確認しています。まずは、事実の確認をする段階です。」
「仕事が納品されているのか、を確認してています。」
「●●の書面の提出時期は、〇日で、本日は×です。」「Aさんは、営業部のリーダです。」
「これは、間違いないということ(前提)で、話をしてよいですか。」
「あやふやな回答」
A氏の言い訳
「責任は、私だけでなく、Bにあります。」
「●●の書面の提出時期は、〇日で、本日は×です。」「Aさんは、営業部のリーダです。」
「これは、間違いないということ(前提)で、話をしてよいですか。」
上司の返答
「MMOTのフレームワークで事実を確認しています。まずは、事実の確認をする段階です。」
「Bさんに責任があるかは、関係がありません。」
「●●の書面の提出時期は、〇日で、本日は×です。」「Aさんは、営業部のリーダです。」
「これは、間違いないということ(前提)で、話をしてよいですか。」
「その場しのぎの謝罪」
A氏の言い訳
「全ての責任は私にあります。二度と、同じことはしません。」
上司の変更
「今は、何が起きて、同じ間違い起きないように、どのような対策をするか、を検討するために事実確認をしています。」
「●●の書面の提出時期は、〇日で、本日は×です。」「Aさんは、営業部のリーダです。」
「これは、間違いないということ(前提)で、話をしてよいですか。」
「誤解の言い訳」
A氏の言い訳
「●●と言われたので、△△だと思っていました。」
上司の返答
「今は、何が起きて、同じ間違い起きないように、どのような対策をするか、を検討するために事実確認をしています。」「本来、こうするべきだったという手順をとれていたかどうか、を確認しています。」
「仮に、誤解したというのであれば、誤解するべき事実関係だったか、時系列を確認したうえで、検証しましょう。」
「予想外の出来事」
A氏の言い訳
「担当の山田が休んだので、間に合いませんでした。」
上司の返答
「今は、何が起きて、同じ間違い起きないように、どのような対策をするか、を検討するために事実確認をしています。」
「本来、こうするべきだったという手順をとれていたかどうか、を確認しています。」
「仮に、予想外の出来事があるであれば、回避不能であったのか、事実関係を確認したうえで、検証しましょう。」
参考
ロバート・フリッツ (著), ブルース・ボダケン (著), 田村 洋一 (訳),「マネジメントの正念場 真実が企業を変える」 120頁以下
(3)「言い訳は無意味だと説明する」
言い訳は無意味だと説明する。
A氏の言い訳
「〇〇〇〇」
上司の返答
「〇〇〇〇ということで、仕方がないのかは、事例列にそって、事実関係を確認してから判断する話です。」
「今回、お話している目的は、責任の有無ではなりません。再発防止のために、何ができるかをかんがえることです。」「これを検討しない。話を遮断するということであれば、そのことが問題だと思います。」「何が起きて、なにが問題だったのか。そして、再発防止策をどうするか、話し合いませんか。」
A氏
「それは分かっています。」
上司の返答
「そうしますと、次に事例列にそって、事実関係を確認しましょう。それから、〇〇の事情から今回は、不可避の出来事だったか判断しましょう。」
見解の相違
(1)見解の相違があれば、「どちらが正しいのか。」でははなく、見解の相違の理由を探りましょう。
(2)この場合には、対話(ダイアログ)のテクニックが使えます。
上司
「●●の仕事は完成してませんよね。」
社員A
「私としは、××だと思っています。」
上司
「なるほど、見解の相違があるということですね。それでは、どちらが正しいかではなく、なぜ、見解の相違があるのか確認しましょう。」
「人それぞれ価値観が違いますが、これを統一していかなと、話が進みません。」
2 時系列の確認
(1)どのように、そのことが起きたのか、時系列で確認する。
上司
「〇日に、●●としてほしい、と願いしましたよね。」
「その後、どうなったのですか。」
3 同じ失敗を起きないように、対策のルールを考える。
4 ルールを守れているか、これを確認する仕組みを考える。
上司
「次に、 同じ失敗を起きないように、対策のルールを考えましょう。」「私の方でサポートとしてできること、」Aさんの方でできることを考えてみましょう。」
上司の方が経験豊富なので、「失敗談を話しながら、自分だったら●●する」と、具体的なアイデアも上司からした方がよいでしょう。
上司
「事実関係は、把握できました。対策をどうするかは私の方でも考えてみるので、明日の●●時にこの件を話し合いましょう。」
少しずつ、対策を確実にとることが大切です。
参考
(1)ロバート・フリッツ (著), ブルース・ボダケン (著), 田村 洋一 (訳),「マネジメントの正念場 真実が企業を変える」
(2)MMOTというフレームワークを使った具体的な和解の例が何個も紹介されています。叱り方の参考になる本です。