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予防法務

カーボンニュートラル(脱炭素)

2024/08/27 更新

地球温暖化

 大気中の二酸化炭素などの温室効果ガスの濃度があがると、地表大気平均気温が上昇します。

持続可能な社会

(1)持続可能な(sustainability)社会とは、自然を持続可能な形で利用し発展する社会を目指すという考え方です。社会の持続可能性として、社会不平や貧困問題の解消等も含まれます。
(2)持続可能な社会の考え方の一つとして、地球温暖化の防止も含まれています。

パリ協定

(1)パリ協定は、気候変動対策に対する指針を定めた条例です。
(2)パリ協定は、2015年12月に採択され、2016年11月に発効された。
(3)2021年12月30日現在で、192か国・地域が批准・受諾・承認又は加入している条約です。
(4)パリ協定では、「世界全体の工業化前からの平均気温上昇につき、2℃を十分に下回り1.5℃以内に抑える」ことを目標としています。
(5)パリ協定は、現時点での「公式な世界の気候変動対策の合意」にあたります。

IPCC第5次評価報告書

2013年9月に公表された IPCC 第5次評価報告書では、「世界の気温上昇を1.5℃に抑えるためのカーボンバジェットは28年分しか残っていない。」こと、「気温上昇を1.5℃に抑えるためにはCO2排出量を2030年に2010年比で約45%削減し、2050年度頃に実質ゼロにする必要がある。」ことが報告がされました。

IPCC第6次評価報告書

2021年8月に公表されたIPCC第6次評価報告書では「 既に、世界平均気温が1.1℃の上昇しており、カーボンバジェット(炭素代予算)からすれば、世界気温上昇を1.5℃に抑制するためには約4000億トンの排出しか許されない。」ことが報告された。
 つまり、約4000億トンのカーボンバジェットを使い果たさないうちに、世界のCO2発言をほぼ0にしなければ、1.5℃目標を達成できないことを意味している。

グラスゴー気象合意

 2021年10月、英国グラスゴーで開催された国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)では、「グラスゴー気候合意(Glasgow Climate Pact)」が採択され、1.5℃が目標とされました。

1.5℃目標

(1)パリ協定では、「2℃を十分に下回り1.5℃以内に抑える」ことが目標となっています。
(2)しかし、環境への影響を考慮して、1.5℃目標を重視する考え方が世界で主流になっています。

日本国の動き

(1)2020年10月、日本政府は「2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする」こと(カーボンニュートラル)ことを目指すと宣言しました。
(2)2021年6月21日、地球温暖化対策の推進に関する法律が成立しています。

気候関連財務開示(TCFD)

(1)TCFD(気候関連財務情報開示)は、気候変動が企業や金融機関の財務に与える影響とそれらへの対応策を、投資家に開示する枠組みです。
(2)2021年6月11日付で改定されたコポーレートガバナンス・コード(CGコード)は、プライム市場上場企業に対し、年4月、日本でもTCFD又は同等の枠組みに基づく開示を求めています。
(3)コードには法廷拘束力はなく、実施にない倍には不開示の理由の説明が求められます。
(4)これらを参考にする投資ファンドも増えてきました。

企業経営の脱炭素

(1)株価を気にせずに経営はできません。上場企業(正確には、プライム市場上場企業)では、脱炭素の取り組みを無視することができなくなりました。
(2)同社との取引がある関係企業も同社による要請という形で、脱炭素を意識した経営をしなければならなくなりました。

参考

 自由と正義2022年3月号8頁~32頁

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