Q キャリアダウン制度とは、どんな制度ですか。
2025/08/12 更新
キャリアダウン制度
(1)育児等によって、現実に就労時間が短くなれば、従前のパフォーマンスを維持できる人の方が少ない。
(2)仕事量や労働時間を調整するキャリアダウン制度を設けることが必要です。
(3)キャリアダウン制度は、従業員の離職や、バーンアウトを防ぐためには必要な再度です。
キャリアダウン制度との実施
(1)キャリアダウン制度については、具体的な内容を決めることは難しいです。個別の事案について社内担当者がコミニケーションを重ねて対応していくからです。
(2)過去の実例を蓄えておき、過去の事例を一緒に見ながら決めていけるような制度設計が望ましいでしょう。
(3)キャリアダウン制度の利用者の実例は社内で共有し、他の人が利用しやすい環境づくりが必要です。
キャリアダウン制度と合法性
1 結論
(1)就労時間等が短くなったことを理由として、降格させることは違法ではありません。
(2)もっとも、育児等が落ちついて、従前どおりの働き方ができる状態に戻ったときに、段階的に昇格させて元の職責に戻れるようにキャリア設計をしなければ、違法となります。
2 最判 平成26年10月23日
(1)最判 平成26年10月23日は、以下のような判例です。
(2)同判例に違反しないためにも、「育児等が落ちついて、従前どおりの働き方ができる状態に戻ったときに、段階的に昇格させて元の職責に戻れる。」制度設計が必要となります。
(1)育児等を理由として、業種変更を理由として降格させることは、原則として、機会均等法(雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律9条3項に違反し違法となる。 (2)しかし、当該女性労働者が自由な意思に基づいて承諾したものと認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在するとき,又は、企業において、降格をさせるべき必要性と、機会均等の趣旨に実質的に反しないと認められる特段の事情が存在するときは、同法に違反しない。 最判 平成26年10月23日 判例タイムズ1410号47頁 |
参考
ビジネスガイド2024年5月号52頁
ハーバード・ビジネス・レビュー2025年9月号60頁