Q 人材の多様性(ダイバーシティー)を確保するにはどんな制度を導入すればよいですか。
2025/10/14 更新
ダイバーシティー
(1)ダイバーシティーとは、多様性という意味です。
(2)会社の経営者、管理職、社員に、女性、高齢者、障害者、外国人などの多様な人材がいることを意味します。
(3)以下の制度を導入することは、ダイバーシティーの導入に役立ちます。
リファラル採用
(1)リファラル採用とは、会社に働いている社員の紹介で、新しい社員を採用することです。
(2)例えば、その社員の紹介で一人採用したら5万円を支払う等の奨励制度を設けて、社員に募集要項を配る等の方法がありえます。
(3)リファラル採用を導入することで、社員(女性、高齢者、障害者、外国人)の友人・知人を採用することで、ダイバーシティーが促進されます。
(4)リファラル採用の制度をしっかりと設計しそれを周囲することで、社員に対し、同じ友人・知人の紹介を求めていることを明確にできます。
アルバイト・パート社員(低賃金労働者)への教育プログラム
(1)女性、高齢者、障害者、外国人は低賃金(アルバイト・パート社員)であることが多いです。
(2)したがって、アルバイト・パート社員(低賃金労働者)への教育プログラムの充実は、ダイバーシティーの促進につながります。
(3)「アルバイトから正社員へ」「正社員から管理職へ」とキャリアパスを用意し、研修と適性を見極める試験を用意して、さらに、これらの制度を周知して、明確なキャリアパスのイメージを説明しましょう。
メンター制度の充実
(1)メンターとは、経験や知識を活かして後輩(メンティー)の成長を支援する指導担当者です。
(2)メンターを担当者の問題として捉えるのではなく、職場全体でフォローする体制が有効です。例えば、一人の社員に複数のメンターがいてもよいでしょう。
(3)メンター制度が充実していれば、離職率が下がり、女性、高齢者、障害者、外国人の比率があがります。
勤務スケジュールの柔軟性と安定性
(1)介護や、育児のために時間が拘束されている社員への配慮は、これらの社員の離職率を下げ、ダイバーシティーに貢献します。
(2)休みやすい環境、自由な働き方が大切です。
(3)シフトの交換を簡単に行えるシステムの導入も有効です。
(4)週20時間の勤務を保障したり、毎週同じ勤務スケジュールを保障したり、シフトの開始時刻、終了時刻を保障することも有効です。
成績ベースのレイオフ
(1)業績悪化の際には、最後に入社してきた者等のレイオフしたり、不可欠ではない部署の人員をレイオフしがちです。日本でも早期退職制度はこの観点で取り組まれることがあります。
(2)これに対して、一定率の不合格基準を設けて、入社◯年後の社員について、不合格だと申し入れて、最終的に退職してもらう制度等が考えられます。
(3)入社直後の者は成績評価が難しいために対象にしません。
(4)人件費の調整として、非正規社員の雇い止めをするより、成績での評価をすることで、ダイバーシティーに貢献します。
参考
ハーバード・ビジネス・レビュー2025年11月号14頁以下