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予防法務

Q SDGs(サステナビリティ)情報の開示としてはどんな選択肢がありますか。

2025/10/14 更新

SDGs(サステナビリティ)情報の開示

1 測定基準

(1)企業は、社会問題(環境、人権その他)に対し責任を持つことを求めています。
(2)自社の基準で、SDGs(サステナビリティ)への取り組みを開示する企業は増えています。
(3)現状では、どのような項目をどのような基準で解するかについて、世界的な基準について調整がされている段階ではありません。しかし、いずれは、これらの基準が作られることでしょう。

2 測定基準の選択

(1)測定基準として、社内の独自基準で発表するのか、それとも、標準的な基準を使うのかも問題となります。

(2)どの測定基準を選ぶのかという問題とは別に、その測定基準を選んだ理由を説明できるのか、という問題もあります。

SDGs(サステナビリティ)情報の種類

 SDGs(サステナビリティ)情報開示情報 については、以下の3つの考え方が考えられます。


 ①SDGs(サステナビリティ)に配慮不足が株主価値を毀損する可能性やその程度を開示する。
 ②企業の活動のプラスの影響と、マイナスの影響を開示する。
 ③商品の製造、利用、破棄までの影響を開示する。

①株主価値を毀損する可能性やその程度を開示する。

(1)排ガス規制等を違法にすり抜けて販売を拡大しても、いずれ発覚して企業価値を失います。したがって、ステークスホルダーの利益を守ることが、企業価値、ひいては株主の利益につながる、という考え方に基づいています。
(2)この考え方によれば、SDGs(サステナビリティ)情報開示情報を会計基準と一体として読み解くことが可能になります。
(3)SDGs(サステナビリティ)情報開示情報を、株主の価値と、SDGs(サステナビリティ)が対立する場合に、どちらを優先させるのか、という経営上の問題に利用できます。逆に言えば、企業がどのように考えて行動するかのか明確になります。
(4)株主価値の利益のためには、SDGs(サステナビリティ)を無視してよいのか、という問題が生じます。

②企業活動のプラスの影響と、マイナスの影響を開示する。

(1)企業活動には、からなずプラスの影響とマイナスの影響があります。これを明確にしようという考え方です。
(2)企業の活動だけでなく、調達先の取引先の活動についても計算に入れるべき、という考え方がありえます。
(3)いろいろな項目があり、それぞれの重み付けについて議論が生まれ、開示された情報の評価が難しくなります。
(4)統一した基準を作ることが難しく、開示された情報の評価が恣意的になりかねません。

③商品の製造、利用、破棄までの影響を開示する。

(1)商品の製造や、消費者が商品を利用し、その後破棄した場合に、商品あたりの影響を開示する、という考え方があります。
(2)顧客の視点で、その商品を購入するべきかを判断させるべき、という考え方です。
(3)消費者が商品、サービスを使った影響について、どうやって測定するか問題となります。
(4)統一した基準を作ることが難しく、開示された情報の評価が恣意的になりかねません。

開示後の反応に備える

(1)開示した情報については、賛否の別れる反応があるでしょう。

(2)企業としては、ステークスフルダーと建設的に対話することが必要です。

(3)敵対的な意見についても真摯に対応していくことが必要です。

参考

 ハーバード・ビジネス・レビュー2025年1月号82頁以下

 ハーバード・ビジネス・レビュー2024年12月号110頁以下

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