【見積り】弁護士報酬と源泉徴収
2024/09/14 更新
弁護士報酬と源泉徴収
弁護士報酬を請求する場合には、源泉徴収を考えなければなりません。
弁護士法人として請求する場合
弁護士法人として請求する場合には、源泉徴収は不要です。
弁護士個人として請求する場合
弁護士個人として請求する場合には、源泉徴収が必要な場合があります。
(事業と関係のない相談)
例えば、離婚の相談等、事業と関係ない依頼について報酬請求する場合には、源泉徴収は不要です。
(事業と関係のある相談)
法人からの依頼の場合、理論上は、(法人の)事業と関連のない依頼は考えられません。
したがって、法人に報酬請求する場合には、源泉徴収が必要です。
(事業と関係のある相談)
確定申告をしている個人事業主から、事業についての依頼を受けた場合
その依頼について、報酬請求する場合には、源泉徴収が必要です。
源泉徴収額の計算(請求額が100万円以下)
請求額が100万円以下の場合は、(消費税を除いた)支払金額の10.21%です。
源泉徴収額の計算
例えば、弁護士報酬が10万円の場合には、消費税は、1万円です。
源泉徴収額 10万円×0,1021=1万0210円です。
この場合の弁護士報酬の請求は以下のとおりです。
弁護士報酬の請求額
弁護士報酬 10万円
消費税 1万円 弁護士報酬×10%
源泉徴収額 -1万0210円 弁護士報酬×10.21%
請求額 9万8790円
源泉徴収額の計算(請求額が100万円以下)
請求額が100万円を超えた場合には、以下のように計算します。
源泉徴収額の計算
100万円について 10万2100円
100万円を超えた額 (請求額-100万円)×0.2042
例えば、消費税を除いた弁護士報酬が120万円であったとします。
この場合の源泉徴収額の計算は以下のとおりです。
源泉徴収額
100万円について 10万2100円
100万円を超えた額 +(120万円-100万円)×0.2042=4万0840円
=14万2940円
この場合の弁護士報酬の請求は以下のとおりです。
弁護士報酬の請求額
弁護士報酬 120万円
消費税 12万円
源泉徴収額 -14万2940
請求額 117万7060円
関数で考える
(1)エクセル等を使って消費税の計算をすると以下のとおりです。
弁護士報酬 A1
消費税 B1=A1×0,1
源泉徴収額 C1=IF(A1<=1000000, ROUNDDOWN(A1*0.1021, 0), ROUNDDOWN((A1 – 1000000) * 0.2042, 0) + 102100) * -1
請求額 A1+B1+C1
(2)実務的には、エクセル等で計算をすることも多いです。