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弁護士業務の流れ

反対尋問のコツ

2023/03/31 更新

主尋問と反対尋問

(1)尋問とは、裁判官の前で、以下の手 順で証言する手続きです。
(2)原告側の当事者の尋問であれば、 原告の弁護士が先に質問し、次に被 告の弁護士が質問をしてきます。 最後に、裁判官が質問します。 被告側の当事者の尋問は、逆に被 告側弁護士の質問から始まります。
(3)原告の弁護士が原告側の当事者にする質問を主尋問と言います。今回の出来事を時系列にそって聞いていきます。
(4)相手方弁護士からの、意地悪な質問を反対尋問といいます。 例えば…「あなたは○○と言ってい るが、その次の日に××していたこと が分かっています。これは矛盾しません か。」のような質問です。

反対尋問と誘導

 反対尋問では、「あなたは、〇〇で△したのですよね。」という「はい。」「いいえ。」でしか回答でいないクローズクエッションをするのが原則でです。

反対尋問の目的

(1)AさんはAにとって都合のよい話をし、BさんはBさんにとって都合のよい話をします。したがって、AさんがAさんにとって都合のよい話をしたとしても、基本的には証拠価値はありません。
 主尋問では、Aさん側の弁護士がAさん側の証人に質問して、Aさんにとって都合のよい話をします。
(2)逆に言えれば、反対尋問によって、Aさん側の証人がAさんにとって不利益な事実を発言して初めて、証拠価値のある発言を取得することになります。
(2)証人の証言の矛盾をついて、「あなたの言っていることはおかしい。」と質問しても、証人は無言になるだけです。何も新しい証言を得ることはできません。
(3)反対尋問の本来的な目的は、相手方の主張と矛盾する事実を、相手方側の証人の口からは発言してもらうことが目的です。

反対尋問の分類

(1)言い訳を潰す
 証人の言い訳を想定し、先回りしてそれを否定する方向に働く事実を一つ一確認します。

(2)仮説の立証
 こちらにとって有利な仮説を設定し、その仮説を根拠付ける事実を一つ一つ確認します。

(3)知識を問う
 〇〇ができると主張しているが、実際にはそのような能力がないときには、業界の知識を一つずつ聞いていく方法があります。

(4)有利な事実の確認
 争いない事実のうち、こちらにとって有利な事実を一つ一つ確認する。
  ※ 重複する質問であるとの異議が出る場合には、「重要な質問です。」
と反論する。

(5)不合理性の指摘
 客観的な証拠との矛盾など、証人の供述の不合理な点を指摘する。

(4)(5)は、よくある尋問方法の一つであるが、新しい事実が出てくることはありません。
 こちらの言い分の正当性をアピールする場として、尋問手続を利用するものです。

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