【会議と対話】会議でのリーダー(意見をまとめる力)
2024/01/13 更新
会議のリーダーの仕事
(1)会議でのリーダーの仕事は、「一人で合理的な結論を出す」ことではなく、「メンバーの意見を引き出して、チームとして決定する。」組織(仕組み)を作ることです。
(2)メンバーが意見を述べる能力と、意欲を持たせることがリーダーの仕事です。
(3)活発な会議にするためには、リーダーは以下の対応が必要です、
会議の目的を設定する。 会議のルールを設定する。(進行役)
(1)「今回は、●●を解決する方法を議論する場であるので、××について後日、議論しましょう。」
(2)「話が個人の責任の有無になっています。これについては、本件の議題ではありません。」
的外れな意見についてジャッジする。(進行役)
(1)会議の初めの段階では、自由に発言する雰囲気を作る必要があります。「非現実的な意見である。」「的外れな意見である。」等の否定的な意見を禁止する必要があります。
(2)逆に、意思決定の最終段階では、非現実的な意見をはじめから検討していては収拾がつかなくなります。「意思決定の終盤である」と判断すれば、「面白い意見ではあるが、期限もあるので、次回の会議で検討したい。」等でこれを取り除く必要があります。
議論を整理する。(進行役)
(1)議論を整理して、争いのある点、ない点するのは進行役としてのリーダーの仕事です。
(2)一度話を整理しましょう。Aという案のメリットは〇〇です。デメリットは××です。
Bという案のメリットは〇〇です。デメリットは××です。
話しやすい雰囲気を作る。(進行役)
「〇〇さんの意見はどうですか。」と聞いて、各人が話をしやすい雰囲気を作るのは、進行役としてのリーダーの仕事です。
質問することを通じて、議論のプロセスを監査する。(監査役)
リーダーには、合理的な結論を出す能力ではなく、正しい答えが出せる環境づくりをする能力が必要になっています。
①現場の意見、顧客の視点を反映できているかを確認する。
例 この案の場合、現場のオペレーションをどのように変更する必要がありますか。
②必要な情報と、データがそろっているかを確認する。
例 この案について、まずは必要なデータと必要な考え方の枠組みを確認しましょう。
例 もう少し、A案を支持する理由を噛み砕いて説明してもらえますか。
例 売上予想の計算式を出してもらえませんか。
③わが社のビジョン(パーパース)、戦略に適合するかを確認する。
わが社は顧客第一としていますが、その案はわが社らしい方法でしょうか。この点をAさんはどう思っていますか。
④別に専門家の意見を聞く必要があるかを確認する。
この点は、マーケティングの専門家に聞いた方が良いのではないか。
⑤議論が尽くされてるかを確認する。
(1)議論が尽くされているかをチェックして、結論を出すかを判断します。
(2)逆に、資料がないために議論が進んでいない場合には、「本日は〇〇の点について資料がなく、検討が進みませんでしたね。」「〇〇の資料を〇日まで用意して下さい。そのときに、また検討しましょう。」と次回に検討します。
決断する。(意思決定者)
(1)経営の本質は、経営資本の選択と集中です。どっちつかずの案では結局上手く行きません。
リーダーはメンバーの意見を尊重しつつも、自分の判断を下す必要があります。
ここでの結論は調整役としての調停案ではいけません。
お互いの意見を聞ききつつ、自分が認定した事実にも基づいて判決を下す裁判官としての判決でなければなりません。
(2)多数決で結論を出してはいけません。それでは折衷案的な結論になってしまいます。
リーダーはその責任において思い切った決断が必要です。
(3)リーダーは、その決定について理由をしっかりと説明しなければなりません。
リーダーは、A案を採用するのであれば、その案を採用する理由を説明しなければなりません。
(4) リーダーとしては、反対意見を尊重しつつ、その意見を否定する理由を説明する義務があります。
A案と、B案が最終候補と残っているとして、実際にどちらの案が正解なのか分かりません。しかし、議論をしたことによって、事業の成功確率を高めれたはずです。議論を尽くしたメンバーに最大限の礼を尽くす必要があります。
例 「〇〇」という理由があるから、今回はA案を採用する。
理由を示した上で、決断を行います。
参考
谷敏行「Amazon Mechanism (アマゾン・メカニズム) イノベーション量産の方程式」111頁以下
ハーバードビジネスレビュー20222号1月号52頁