【会議と対話】会議でのリーダーの役割(決断する)
2024/01/28 更新
会議のリーダーの仕事
(1)会議でのリーダーの仕事は、「一人で合理的な結論を出す」ことではなく、「メンバーの意見を引き出して、チームとして決定する。」組織(仕組み)を作ることです。
(2)メンバーが意見を述べる能力と、意欲を持たせることがリーダーの仕事です。
(3)リーダーは、グループの議論を総括して結論を出す必要があります。
決断する。(意思決定者)
(1)経営の本質は、経営資本の選択と集中です。どっちつかずの案では結局上手く行きません。
リーダーはメンバーの意見を尊重しつつも、自分の判断を下す必要があります。
ここでの結論は調整役としての調停案ではいけません。
お互いの意見を聞ききつつ、自分が認定した事実にも基づいて判決を下す裁判官としての判決でなければなりません。
(2)多数決で結論を出してはいけません。それでは折衷案的な結論になってしまいます。
リーダーはその責任において思い切った決断が必要です。
なお、Aか、Bかという選択を迫られる場合に、どちらが優勢か不明な場合に別ブランドで事業を行いつつ、情勢が明らかになって結果が出てから選択する方法もあります(ハーバードビジネスレビュー2024年2月号77頁、78頁)。
(3)リーダーは、その決定について理由をしっかりと説明しなければなりません。
リーダーは、A案を採用するのであれば、その案を採用する理由を説明しなければなりません。
(4) リーダーとしては、反対意見を尊重しつつ、その意見を否定する理由を説明する義務があります。
A案と、B案が最終候補と残っているとして、実際にどちらの案が正解なのか分かりません。しかし、議論をしたことによって、事業の成功確率を高めれたはずです。議論を尽くしたメンバーに最大限の礼を尽くす必要があります。
決断の8つ原則
リーダーの結論は、以下のようにあるべきです。
(1)全員一致で決めてはならない。
(2)弱気になってはならない。
(3)また聞きの情報にたよってはならない。
(4)会社全体の利益のためにの決定をしなればならない。
(5)優先順位を考慮して、実現可能な選択肢(実現可能ではあるが、実現には困難かもしれない選択しても良い)を選ばなければならない。
(6)問題を放置するよりも、短期的な苦痛を選ばなければならない。
(7)リスクをとらなければならない。
(8)小さく、かつ、素早く、トライして、その結果を早々に検証しなければならない。
参考
Gino Wickman (著)、福井 久美子 (訳),「TRACTION トラクション ビジネスの手綱を握り直す 中小企業のシンプルイノベーション」 163頁以下