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弁護士業務の流れ

【共感力】傾聴の技術

2024/08/29 更新

傾聴

(1)傾聴は相手方に共感を示しつつ、相手の話を聞く技術です。

(2)相手の話が脱線すれば、「ちょっと待って下さい。もともと、〇〇という話だったのですが、△△となる、というのはなぜなんでしょうか。」と質問することも大切です。

(3)交渉を成立させるには、こちらも相手も同意する必要があります。相手方を打ち負かすのではなく、相手方に信頼してもらう(同意してもらう)ことが必要です。

傾聴の技術

あいづち

 「なるほど。」「それでどうなりましたか。」とあいづちを打つことは大切です。

話を整理する

(1)一方的に話し続ける人や、話が脇道にそれる人がいます。

(2)相手方の話が脱線すれば、「ちょっと待って下さい。もともと、〇〇という話だったのですが、△△となる、というのはなぜなんでしょうか。」と質問することも大切です。

(3)こちらが、相手方を理解しようとしている姿勢を示す限り、相手方の話を遮断することも失礼ではありません。

(4)むしろ、相手方の言い分を整理して、お互いの共通認識を作ることは大切な作業です。

相手の言葉(キーワード)を復唱する

(1)これは、相手方がいった言葉を復唱する技術です。

 相手方が白熱して一方的に話してくるときに、お互いが冷静になるための技術です。

(2)「明日までに、この仕事を仕上げて下さい。」と上司より高圧的に言われた場合に、「明日までですか。」「大至急ですか。」と質問します。

 このように発言されれば、相手方は、至急だと考える理由を説明する必要がでてきます。

(4)相手方のテンポを鎮める効果があります。

(5)相手方に冷静になってもらう技術でもあります。

感情について言及する

(1)相手方の感情について明言します。

 「◯◯さんは、私の発言について怒ってらっしゃるように感じます。」と発言します。

 もちろん、相手方がどう思っているかは、分かりません。しかし、相手方の感情について言及することで、相手方に対し、こちらが利用しようとしていることを示せます。

(2)自分の感情について言及します。

 「◯◯と言われて、私は悲しいです。」と発言します。

 自分の感情を明確にして自分の感情をコントロールできます。

 感情的な対立を防ぐためにも、相手方に自分の感情を伝えて、冷静になってほしい、と伝えます。

言い換え(オウム返し)

(1)「◯◯さんのおっしゃることは分かります。」では、本当に分かっているか伝わりません。

(2)「◯◯さんは、△△したときに✖✖と感じたわけですね。」と端的に言い換えて、こちらが相手方の気持ちを理解していることを伝えましょう。

自分の立場として回答する

(1)反論してはいけません。相手方を言い負かしてはいけません。例えば、相手方の言い分がおかしいことを論破すれば、相手方のプライドを傷付けるだけです。

(2)「あなたの言い分は、〇〇がおかしい。」という言い方はふさわしくありません。

(3)「◯◯とおっしゃりましたが、この点については、△△という見解もあります。したがって、妥当な金額は××円と考えます。私は、代理人(弁護士)であるので、××円まで下げてもらえないと、立場上は依頼者に説明ができません。」と回答しましょう。

沈黙を活用する

(1)相手方が話し終るまで待つ。そして、さらに、数秒待ちます。

(2)相手方が興奮しているときや、混乱しているときに使います。

(3)「相手方にゆっくり考えてほしい。」というめっせ

ネイミング

(1)お互いの選択肢(立場)についてネーミングを付けます。

(2)ネーミングによって、選択肢を意味付(イメージ)を付けします。

                         例

弁護士A
 今回は、30万円を支払って、示談するのがよいと思っています。
 この案(案①)のメリットは●●、デメリットは、××です。

依頼者Bさん
 それでは、私が悪かったことになってしまします。

弁護士A
 依頼者Bさんの選択肢(案②)のですと、メリットは●●、デメリットは、××です。
 少し、文章にまとめてみますね。

弁護士A
 依頼者Bさんが、□□したい(案②を選択したい)とおっしゃる理由を教えてもらえませんか。
依頼者Bさん
 ●●●●●です。

弁護士A
 Bさん(依頼者)としては、「違法なことをやっている■■さんが勝つことになるのが、感情的に許せない。」ということですね。

弁護士A
 私が、「案①」を経済的メリットの観点から、お勧めしているということは理解頂けるということでよいのでしょうか。

依頼者Bさん
 頭ではわかっています。

弁護士A
 Bさん(依頼者)が選択する「案②」は、感情的な観点からの選択ということでよいでしょうか。

参考

 ハーバードビジネスレビュー2024年8月号10頁以下

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