【基礎知識】消費税の請求額(インボイス)
2024/09/26 更新
消費税の請求
(1)インボイス制度の導入によって、消費税を何%請求してよいのか、問題となります。
(2)請求書を作るには、インボイスの知識が必要です。
消費税の納税
企業は、消費税について、1年間の間で、お客様から受け取った消費税から、事業者に支払った消費税を控除して消費税を納めてきました。
例 お客様に、110円(消費税10円)で缶ジュースを売った。・・・①
仕入業者に、55円(消費税5円)で缶ジュース代を支払った。・・・②
①-②=5円の消費税を納めればよかった。
インボイス制度(適格請求書保存方式)がスタート
(1)令和5年10月1日からインボイス制度(適格請求書保存方式)がスタートします。
(2)仕入れ業者が、適格請求書発行事業者の要件を満たす業者でなければ、上記の②の控除がされなくなります。
インボイス制度(適格請求書保存方式)と必要な対策
1 請求書を出す側
(1)課税事業者(消費税を納めている事業者)は、適格請求書発行事業者の登録をしなければ、取引先は消費税の控除ができなくなります。
(2) 課税事業者(消費税を納めている事業者)は、 請求書に登録番号等を記載しなければなりません。
(3)免税事業者は取引先に対し請求できる消費税が段階的に無くなっていきます。※1
(詳しくは、下記の経過措置のとおりとなります。)
2 請求書を受け取る側
(1)課税事業者(消費税を納めている事業者)は、受け取った請求書(の発行者が適格請求書発行事業者であるかどうか、)によって、控除できる消費税額が異なります。したがって、これらを分けて記帳することになります。
(2)課税事業者(消費税を納めている事業者)であっても、消費税の簡易課税を選択している場合には、「売上×みなし仕入率×10%」で消費税を計算します。そのため、上記のような対応は不要です。
(3)免税事事業者は消費税を納める必要がありません。そのため、上記のような対応は不要です。
インボイス制度を登録していない事業者が請求書を出すときのルール
1 請求書を出す先が事業者ではないとき
(1)離婚事件など、事業とは関係ない請求書を出す場合には、インボイス登録をしてなくても迷惑はかけません。
(2)消費税の免税事業者に対し、請求書を出す場合には、インボイス登録をしてなくても迷惑はかけません。
(3)この場合にも、10%の消費税を請求してもよいでしょう。
2 請求書を出す先が簡易課税を選択しているとき
(1)個人事業主は2年前(前々年)、法人であれば2事業年度前(前々事業年度)の売上が5000万円以下の場合には簡易課税の選択が可能です。
(2)簡易課税を選択している事業者に対し、請求書を出す場合には、インボイス登録をしてなくても迷惑はかけません。 簡易課税の場合には、「売上げ×◯%」で消費税を計算するので、経費となるべき請求書についてインボイス登録がされているかをチェックする必要がなりからです。
(3)この場合にも、10%の消費税を請求してもよいでしょう。
3 請求書を出す先が簡易課税を選択しているとき
(1)課税事業者(消費税を納めている事業者)に対し請求書を出す場合には、以下の対応が必要です。
(2)経過措置に従った消費税の調整が必要です。
経過措置
(1)令和5年10月1日からは、取引先課税事業者(消費税を納めている事業者)()の立場からすれば、「免税事業者に支払った消費税に、その全部又は一部が控除されなくなります。
課税事業者(消費税を納めている事業者)に対し請求書を出す場合には、以下の対応が必要です
(2)令和5年10月1日から令和8年9月30日まで 消費税を8%で請求する。
令和8年10月1日から令和11年9月30日まで 消費税を5%で請求する。
令和9年10月1日から 消費税を請求できない。