反対尋問の実例(嘘を見破れ①)
2024/02/23 更新
事案
争点
固定残業代の合意の成否が争点である。
証人
証人は、主尋問で、固定残業代の記載ある契約書にサインはしたが、「読んでない。」「説明を受けていない。」とは証言した。
陳述書
(1) 陳述書にも、上記のような記載があった。
(2) もっとも、「契約書による合意が争点になっている。」時点で、このような証言はよそうすべきであった。
獲得目標
戦略
契約書には、いろいろな項目がある。(争点になっていない)各項目については、契約時に説明を受けていた、と証言してくれるのではないか。
獲得目標
争点になっている「固定残業代」以外の項目については、説明を受けた、との証言をとること。
実際の尋問
弁護士
「Aさんは、契約書にサインしたのですよね。」
証人A
「はい。」
弁護士
「Aさんは、Bさんから契約書を渡されたのですよね。」
証人A
「はい。」
弁護士
「このとき、AさんとBさんは、どれくらいの時間話したのですか。」
証人A
「40分くらいです。」
弁護士
「甲〇号証(契約書)を示します。。」
「第1条には、労働時間がかかれています。」
「Bさんは、Aさんに、勤務時間は契約書どおり、〇時から〇時になると説明しましよね。」
証人A
「はい。」
弁護士
「第2条には、勤務場所がかかれています。」
「Bさんは、Aさんに、勤務場所は、〇〇であると説明しましよね。」
証人A
「はい。」
(省略)
弁護士
「証人Aは、契約書の内容について、Bさんに質問したことはありましたか。」
証人A
「質問はしなかったと思います。」
弁護士
「Aさんは、Bさんの話を聞いて、契約書と違うな、と思ったことはなかった。」ということですね。
証人A
「はい。」
弁護士
「Aさんにとって、Bさんは話しやすい人、相談しやすい人ということでよいですか。」
証人A
「どちらでもないです。」
弁護士
「AさんがBさんに相談したことないということですか。」
証人A
「●●については相談したことはあります。」
弁護士
「Aさんが、未払い残業がある。」と会社に主張されたのは、弁護士さんに通知書を作ってもらった〇月〇日が初めてですよね。
証人A
「はい。」
弁護士
「Bさんにも、残業の未払いがある。」と相談したことはないですよね。
証人A
「はい。」
弁護士
「Aさんの経歴を見てますと、本件の会社に入る前にも、●●という会社がありましたよね。」
証人A
「はい。」
弁護士
「Aさんの経歴を見てますと、本件の会社に入る前にも、アルバイトをしたこともありますよね。」
証人A
「はい。」
弁護士
「本件の会社に入る前でも、8時間以上働けば、残業代が出る、ということは知っていますよね。」