反対尋問の実例(嘘を見破れ②)
2024/02/23 更新
事案
争点
 休憩時間の有無が争点である。
証人
 ①証人は、主尋問で、トラックを運転して荷積み地にいった。当然、荷積みの順番待ちの待機時間があるところ、「待機時間中は、車を少し動かさなければならないこともあり車からはなれることができなかった。」と証言した。
 ②証人は、「待機時間中、何をしていたのか、」について主尋問では証言しなかった。
陳述書
(1)陳述書にも①の記載はあった。
(2)陳述書にも②の記載はなかった。
(2)つまり、証人の①②の対応は予想できた。
獲得目標
獲得目標1
戦略
 「待機時間中は、車を少し動かさなければならないこともあり車からはなれることができなかった。」というのは取引先ごとの荷積み地の状況によって異なる。
 取引先を聞くという作業は、記憶を辿るという作業である。「●●な取引はありますか。」と質問すれば、嘘を証言することは難しい。
獲得目標
 「待機時間中は、車を少し動かさなければならないこともあり車からはなれることができなかった」取引先の名前を聞く。
獲得目標2
戦略
 「不稼働時間があれば、人間は、仮眠したり、本を読んだり、ご飯を食べたり、いろいろなことをするはずである。」
獲得目標
 「●●できたんではないですか。」「そうしなかったのですか。」と聞いて、不合理な弁解を引きだす。
 「証人A以外の人間は、どうしていたか。」を聞く。これによって、不合理な弁解を引きだす。
実際の尋問
弁護士
 「Aさんは、『待機時間中は、車を少し動かさなければならないこともあり車からはなれることができなかった。』という証言をされていましたよね。」
証人A
 「はい。」
弁護士
 「そのような取引先の名前を一つずつ教えて下さい。」
証人A
 「〇社と、〇社と、〇社。」
(省略)
弁護士
 「待機時間はすることがないので、やろうと思えば、仮眠したり、本を読んだり、ご飯を食べたり、いろいろなことをすることができますね。」
証人A
 「私は、直ぐに動けるように、じっとまってました。」
弁護士
 「Aさんは、本件会社で〇年間働いていましたよね。」
証人A
 「はい。」
弁護士
 「Aさんは、仮眠したり、本を読んだり、ご飯を食べたりしなかたのですか。」
証人A
 「してません。」
弁護士
 「Aさんは、待機時間について、何をしていたのですか。」
証人A
 「何もしていません。」「ぼーとしていました。」
弁護士
 「荷積み地には、他のトラックも止まっていることもありますよね。」
証人A
 「あります。」
弁護士
 「他のドライバーは、待機期間中にどんなことをしているのですか。」
証人A
 「私は、車のカーテンを閉めており、他のドライバーのことを見てませんから、分かりません。」
弁護士
 「Aさんは、本件会社で〇年間働いて、ずっとドライバー業務をしたいたのですよね。」
証人A
 「はい。」
弁護士
 「〇年間、すっと、他のドライバーが何をしているのか見なかったのですね。」
証人A
 「はい。」







