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弁護士業務の流れ

Q 弁護士特約を利用する場合に、どのような手続が必要ですか。

2025/08/05 更新

弁護士特約

(1)交通事故等の案件では、弁護士費用を保険会社が支出してくれる特約があることがあります。

(2)弁護士特約がある場合には、依頼者は負担なく、弁護士を利用できます。

(3)交通事故などの弁護士特約が使えそうな案件では、使える保険がないかを依頼者に確認してもらいます。

依頼者から弁護士特約の保険会社を聞く

(1)依頼者から、弁護士保険の保険会社の担当者の名前と電話番号を聞きます。

(2)できれば、依頼者から、弁護士保険の保険会社の担当者に対し、「弁護士の◯◯」から連絡があることを聞いておきます。

保険会社への問い合わせ

(1)保険会社に電話して、保険会社に以下のことを聞きます。

 ①保険会社に対し、弁護士報酬を請求するために依頼者から取り寄せるべきものは何か。

  例えば、依頼者から、委任状や、委任契約書を取り寄せて、これを保険会社にFAXすることを求められます。

 ②保険会社に対し請求できる弁護士報酬の基準は何か。

  交通事故であれば、保険会社は支払基準を決めています。

  労働事件の弁得(雇用慣行賠償責任保険)では、基準がなかったりします。

 ③委任契約書には、どのように記載すべきか。

  弁護士特約で支給される保険金が決まっているときには、委任契約書に「弁護士報酬は、◯◯保険会社の弁護士保険の上限額とする。」と記載することもあります。

  保険金の金額が決まっていない場合には、事件終了後に保険会社と折衝して決めることもあります。

 ④保険会社が事件の資料を持っているか。持っている場合にはどのようにすればもらえるのか。

  交通事故であれば、弁護士特約の保険会社がいろいろな資料を先に持っていることもあります。

  保険会社に、委任状を送って、「依頼を受けた弁護士である。」ことを証明します。これによって、資料をおくってもらえます。

 ⑤今後、問い合わせるときに、事件名をどのように言えばよいのか。

  交通事故の場合には、「依頼者、相手方、事故日」で事件を特定するのが通常です。

  労働事件の弁得(雇用慣行賠償責任保険)では、「依頼者の名前」だけで事件を特定したりします。

弁護士A
 「◯◯保険会社の担当の山田さんをお願いします。」

保険会社の担当
 「◯◯保険会社のBと申します。山田ですね。」
 「事件の概要を押して下さい。依頼者名、事故日は分かりますか。」

弁護士A
 「依頼者は山田株式会社、事故日は令和5年2月30日です。」

保険会社の担当
 「調べます。少し、お待ち下さい。」
 「分かりました。弁護士Aさんが、示談交渉の代理人となられている件ですね。」
 「弊所の担当者の山田に変わります。」

保険会社から弁護士特約の報酬基準を取り寄せる

(1)保険会社から弁護士保険の報酬基準を取り寄せます。

 ときには、保険契約の約款を取り寄せることもあります。

(2)取り寄せた弁護士保険の報酬基準を一つのフォルダーに保管すると便利です。

  既に取り寄せた報酬基準を再度取り寄せる必要はありません。

 「070203 東京海上 東京海上の保険基準」

 「060221 損保ジャ ラック基準」

委任契約書の作成

(1)保険会社の弁護士報酬の基準に矛盾しないように、委任契約書を作ります。

(2)なお、通常の委任契約書を使い、特約として、「依頼者(乙)は弁護士(甲)に対し弁護士特約を使って弁護士報酬を支払う。なお、特約の保険で支払われる基準が前条で定まった弁護士報酬額に達しない部分は、依頼者(乙)は弁護士(甲)に対し依頼者(乙)の負担で弁護士報酬を支払うものとする。」と定めることができます。

 逆に、通常の委任契約書を使い、特約として、「依頼者(乙)は弁護士(甲)に対し弁護士特約を使って弁護士報酬を支払う。なお、特約の保険で支払われる基準が前条で定まった弁護士報酬額に達しない部分は、その超えた部分は減額され、依頼者(乙)は弁護士(甲)に対し、特約の保険を超えて弁護士報酬を支払う義務はない。」と定めることができます。

 例えば、一番シンプルな形で作成すると、以下のような形となります。

保険会社の基準型

                   委任契約書(保険会社の基準型)

 受任者〇〇を甲、受任者 弁護士法人△△を乙として、て次のとおり委任契約を締結する。

第1条(事件等の表示と受任の範囲)
 甲は乙に対し、下記事件または法律事務(以下、「本件事件等」という)の処理を委託し、乙はこれを受任した。

1 事件概要 
 事故日 令和7年6月3日発生の交通事故
 相手方 ✕✕

2 委任範囲
 本件交通事故の示談交渉、訴訟、民事保全、強制執行その他関係機関との折衝

第2条(弁護士報酬)
(1)甲と乙は、本件事件等に関する弁護士報酬については、下記保険会社の弁護士特約の保険金支給規定の上限とする。
  ▢▢保険会社

(2)預り金からの清算に関しては、甲が送金手数料を負担する。
  
第3条(中途解約)
 本件事件等の処理が、解任、辞任または継続不能により途中で終了したときは乙の処理の程度に応じて清算を行うものとし、処理の程度について、甲及び乙の協議して弁護士報酬について、追加分の請求若しくはその返還等等の精算を行う。

第4条(特約)
(1)甲は乙に対して甲加入保険会社の弁護士特約を利用して第2条の報酬等を支払う。
(2)なお、上記の保険会社より支出される額を超えて、甲に負担すべき金銭が発生した場合には、乙は甲の負担すべき金銭について甲に対し弁護士報酬請求しないものとする。

                                 令和  年  月  日
甲(依頼者)   住所
        名前

乙(受任弁護士) 住所
        名称

保険会社への通知

(1)保険会社に対し、委任状や、委任契約書を送ります。

(2)あわせて、保険会社から資料を取り寄せます。

                       ご連絡
 
                                          令和7年月1日
 
◯◯保険株式会社 御中
 
                             〒543-0001
                             大阪市天王寺区上本町8丁目2-1-202
                             夕陽ヶ丘法律事務所
                             TEL:06-6773-9114
                             FAX:06-6773-9115
                             弁護士 井 上 正 人
 
前 略
 当職は、下記依頼者より、下記交通事故に関する一切の件につき依頼を受けましたので、本書をもってご通知いたします。
 誠にお手数ですが、貴社もしくは貴殿が保有されている本件事故に関する書類(交通事故証明書、診断書及びレセプト(原本証明付き)、物損資料(車両当事者双方の写真、見積等)等)を弊所までお送りいただきますよう、お願い申し上げます。
 
 依頼者     ◯◯◯◯
 事故日    令和4年10月9日
                     
                                               草 々
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