【会議と対話】尖った意見を引き出す工夫
2024/10/09 更新
尖った意見を引き出す工夫
(1)アイデア会議では、尖った意見(前例のない意見)を出す必要があるときがあります。
(2)VC(ベンチャーキャピタル)は、既存のビジネスにない新しいビジネスに投資をする必要があり、その意思決定方法は参考になります。
目的を明確にする
(1)他社と違った(前例のない)野心的な目的を設定していることを明確にします。
(2)ヒットではなく、ホームランを狙うこと、20件中、1件のホームランを目指して、19件の失敗を許容することを明確にします。
会議前に意見を募集する
(1)会議の目的と、議題(何を話し合いたいか)を記載し、必要な資料を出します。
(2)メンバーには、会議の参加の条件として、簡単な意見を2つ述べることを条件にします。
(3)周りの意見を見てから意見をいうことを防ぎます。
会議のメンバーを選定し直します。
(1)会議のメンバーは5人程度が適切です。
(2)活発な議論をするためには、活発に議論を述べない人は、次回から参加を認めないことが必要です。
若手の意見に発言させます。
(1)まず、若手に意見を述べさせます。
(2)年配者や、ベテランが意見を言えば、若手が意見を言いにくい雰囲気ができるときがあります。
賛成意見と反対意見を集める。
(1) 「データの結果が自社のビジネスに当てはまる。」という意見と、「当てはまらない。」という意見の2つと、十分な議論がでるまで、結論を出すべきではありません。
(2) 一方の意見しか出なかった場合には、「◯◯さん、この意見に反対するとどうなりますか。」という形で反対意見を出させましょう。
多数決で決めない。合意形成を目指さない。
(1)「一人でも熱烈な支持者がいれば、その意見を尊重する。」というルールのもとに、リーダーが決めるという方針がありえます。
(2)「各人が最高責任者であり、活発な議論をするが、各メンバーが最終判断をする。」というルールがありえます。
(3)ビジネスにおいては、選択と集中が必要です。(2)の場合には、各メンバーが自分がその仕事を引き受けれる力量と、能力が必要です。(2)についてはそのまま採用できる例は少ないかもしれません。
野心的な期限を設定する。
(1)尖った意見(前例のない意見)については試してみないと分かりません。
(2)考えられることは議論してリスクを減らすべきですが、リスクを劇的に減らすことはできません。
(3)「1ヶ月以内に結論を出す。」「2週間以内に結論を出す。」等の期限を設定しましょう。
承認手続きを減らす。
(1)多くの人が意見を言えば、無難な結論しか出せません。
(2)上司の許可が必要であるとしても、何人もの承認が必要な手続きは不適切です。
案件を管理する。
(1)スピーディーな意思決定をするには、全ての議事事項を管理することが必要です。
(2)必要な議題(課題)を全てリストアップして、これを管理することが必要です。
リーダーが決断し、その責任を負う。
(1)ビジネスの世界では、選択と集中が必要です。みんなの意見がそれぞれ素晴らしいでは進みません。VCでは、投資先の管理等がメンバーが個々で対応できるかもしれません。
しかし、ビジネスの場では、優先順位を決めるリーダーが必要です。
(2)リーダーが、最終的な判断をして、かつ、その責任はリーダーにあることを明確にするべきです。
「一人でも熱烈な支持者がいれば、その意見を尊重する、というのが我が社のルールです。◯◯さんの意見を採用しましょう。ただし、この決定の責任は私にあります。」「この決断はメリットもありますが、リスクもあります。したがって、ホームランを狙う戦略です。20件中、1件のホームランを目指して、19件の失敗を許容します。」と責任を明確にしましょう。
参考
ハーバードビジネスレビュー2024年11月号22頁
参考
ハーバードビジネスレビュー2024年11月号56頁