【給与の決定】評価は主観的でもよい。
2024/01/14 更新
評価は主観的でもよい。
(1)「仕事が信頼できる。」「重要な仕事でも任せることができる。」という評価は、主観的でしかありえません。点数計算の形で、人の優秀さを査定しようとすれば、結局は、主観的な判断は整合しなくなってしまいます。(金井壽宏「組織変革のビジョン 」76頁以下参考)。
(2)査定項目を細かく決めてから、査定する方式では以下のことができません。
リスクへの挑戦(成果ができない。もしくは成果が出るのは遅い仕事)を正当に評価することができません。
市場の変化に合わせて、スピーディーに査定項目を変更することができません。
他人が成績をあげるのを手伝ったり、逆に、他人に助けてもらったりすることをどう評価するかという問題があります。
(3)上記のような理由もあり、ベンチャー企業や新規事業部など、新しい挑戦が求められている仕事には、査定項目を細かく決めてから、査定する方式は向きません(伊達 洋駆「現場でよくある課題への処方箋 人と組織の行動科学」85頁参考)。
主観的な評価の決め方
例えば、評価者数名で、「●●さんは、現在、●●という仕事をしている。例えば、●●のときには●●という貢献をしてくれた。●●の部分が本人の課題である。●●が克服できれば、次のポストとして、●●というポストについてもらいたい。」という形で評価をして、評価をすり合わせることだけで評価することもできます。(熊谷昭彦「GE変化の経営」121頁、122頁)
評価の透明性を高める方法
(1)例えば、会社が基準にしている市場での給与額の情報を共有するして、会社の給与の決定方法をについて明確にする方法が考えられます(パティ・マッコード (著)、櫻井祐子 (翻訳)「NETFLIXの最強人事戦略 自由と責任の文化を築く」194頁以下)。
(2)評価される側が、人事評価に異議を求める権利を認める方法もあります。異議が出た場合には、第三者がその評価の適性を判断するという仕組みです(熊谷昭彦「GE変化の経営」99頁)。
結果に対して、意見を言う機会を与えること(プロセスに関与させること)は、本人の納得感を高めます(伊達 洋駆「現場でよくある課題への処方箋 人と組織の行動科学」83頁参考)。
評価と給与額
(1)給与額については、市場での給与額をベースに、「見習い中である」「一部の業務であれば任せることができる。」「安心して仕事を任せれる。」の3段階を決めておけば決定できます。
(2)結局、その人に仕事を任せれるかは主観的な判断です。その人にどんな仕事を任せるかを主観的な評価で決まり、仕事が決まれば給与が決まるという関係になります。