【エンパワーメント】答えではなく、「考え方」を教える(マネジャーの負担の軽減)
2023/11/05 更新
マネージャーの仕事術
マネジャーの時間管理の観点から、「考え方」を教える、というマネージメントを検討してみましょう。
「報告・連絡・相談」型
(1)あるケースを考えてみましょう。
部下
「●●の問題が起きています。どうしまようか。」
上司
「よく知らせてくれました。私の方で確認します。」
数日後
部下
「●●の件ですが、どうなりましたか。」
上司
「忙しくて手が回っていない。もう少し考える時間がほしい。待っていてほしい。」
(2)部下にとっては、自分の権限外の事情が起きて、上司に処理を預けました。
上司にとってみれば、沢山のタスクが降りかかってきて、優先順位をつけながら不眠不休で対応するしていることになります。
しかし、上司の判断が下さる作業全体が止まってしまっています。
「考え方」を教えるマネージメント
(1)あるケースを考えてみましょう。
部下
「〇〇はどうしたら、いいですか。」
上司
「A社は△していますよね。」
「競合の会社は、試行錯誤によって、やり方を改善しているはずです。他社のやりかたを真似ることは、ノウハウを吸収することになります。」
「次に、お客さんは、競合の会社の商品を見て、自分のニーズにとって、1番よいサービス商品を選びます。」
「徹底的にパクる」はビジネスマイドとして大切です。
「競合の会社のやり方を参考にどう組み立てていくのかを考えてください。」
「競合の会社としては、他にどこの会社が参考になりますか。」
部下
「すいません。分かりません。」
上司
「インターネットでも調査できそうなので、一緒に探しましょう。」「こことここの会社が参考になりどうですね。」
「追加で、これらのビジネスの概要をまとめて、どれがよいと思うか、検討して報告してくれますか。」
部下
「分かりました。」
上司
「1社を調べて表を作った時点で見せてください。分析の方向性も一緒に確認しましょう。」
(2)ポイントを整理してしましょう。
まずは、上司がボールを持つのではなく、部下にボールを持たせることができました。
次に、上司は、部下に考え方を示し、自分で考えるように促しました。
最後に、部下が迷うであろう部分を予想し、次に、どの時点で相談に来るべきかを示しています。
(3)メリット
まずは、部下に考え方を示し、自主的に考える訓練をしています。
次に、上司がボールを抱え込まずに済みました。また、この処理にかかる時間を最初から区切っておけば、上司の時間管理も容易になります。
例えば、「この問題は、●日の11時~11時30分に一緒に処理しよう。」と約束することで上司としての時間管理が可能です。
最後に、プロジェクト全体の待ち時間がなくなります。
参考
ハーバードビジネスレビュー2022年3月号130頁以下