部下の悩み（不安）を受け止める方法

部下の悩みを聞く方法

　部下が、精神的に困惑しながら、相談してきたときにどうすればよいのか。

問題

　部下Bが、次のプレゼン資料について相談をしてきた。

　部下Bの顔色を見ると、疲弊していた。

　上司Aは、プレゼンについて改善したほうがよい点を何点か気づいた。

部下の不安への対応

１　感情のコントロール

（１）誰かが自分の感情にうまく対応できていない状況に気づくことがあります。

（２）自分で助けを求めてくれればよいが、表情や声のトーン、姿勢、呼吸、集中力の欠如等から推察する必要がある場合があります。

２　対応のポイント

　以下の流れで対応します。

（１）アドバイスはしない。

（２）部下が何を感じているか、をヒアリングする。

　感情をコントールできていない（疲れている、疲弊している。落ち込んでいる）ように見えると指摘する。

（３）相談内容をオウム返しする。

（４）部下の気持ちを受け止める。

（５）最後に、アドバイスする。

実際の対応

ポイント

　アドバイスはしない。

上司A

　上司Aは、プレゼンについて改善したほうがよい点を何点か気づいたが、

　指摘をしなかった。

ポイント

（１）なぜ、部下が助けを求めてきたのか、その経緯について質問する。

（２）部下が何を感じているか、をヒアリングする。

上司A

　「Bさん（部下）はどこが気に入らないのですか。」

部下B

　「◯◯です。」

上司A

　「なるほど、そこは難しいところですね。」

ポイント

　感情をコントールできていない（疲れている、疲弊している。落ち込んでいる）ように見えると指摘する。

上司A

　「ところで、Bさん（部下）は疲れているようにも見えるのですか。何かありましたか。」

部下B

　「◯◯です。」

ポイント

　相談者の言い分をオウム返しする

上司A

　「Bさん（部下）は、仕事を抱えている。しかし、今回任されたプロジェクトは力をいれてやってみたい。」「Bさん（部下）が抱えている仕事量を他の人にお願いする場合には、そのプロジェクトだけはやりたいと言うのは、ワガママだと思われてしまいそう。」

　「今回の相談してくれたプレゼンの仕事も同じことで、期限まで終わらせれるかも不安だ、ということですね。」

ポイント

　相談者の感情を肯定する（受け入れる。）

上司A

　「私も、Bさん（部下）の立場だったら、正直に相談してしまうと、他人がどう思うか気になってしまいます。」

「でも勇気を出して、相談してくれてありがとう。」

「困ったときに、正直にいう、それがなかなか難しいですよね。」

ポイント

　アドバイスをする。

上司A

　「問題点は、２つあって、一つはプレゼンの改善点ですね。」「もう一つは、時間管理の仕方ですね。」

上司A

　「まず、プレゼンの改善点については、よくある顧客の質問が◯◯ですから」

　「◯◯したようがよいでしょう。」

上司A

　「まず、プレゼンの改善点については、よくある顧客の質問が◯◯ですから」

　「◯◯したようがよいでしょう。」

部下B

　「なるほど。」

上司A

「もう一つは、時間管理の仕方ですね。」

（省略）

ポイント

　可能であれば、気分を変える方法をさらにアドバイスをする。

参考

　ハーバードビジネスレビュー２０２４年１０月号８０頁