Q データ分析は、意思決定の分類によって手法が変わりますか。
2025/08/11 更新
意思決定の類型化
(1)ビジネスにおいて、データ分析は意思決定を助けるものです。
(2)したがって、ビジネスにおける意思決定を類型化して、その類型化にしたがって、データ分析の手法も変えるべきというアプローチがあります。
反復活動型
(1)金融機関の融資、DMを送るときの送付先の選択等の、ある担当者が繰り返しおこなっている意思決定をサポートするデータ活用です。
(2)この場合には、①誰の判断を代替するかは決まっています。②いつ、③どのような事情を考慮して意思決定を行っているかヒアリングします。
(3)例えば、風力発電の機械の故障を予想して、部品を交換するという意思決定でれば、部品の調達を含めて、1か月前には予想を出さないといけないかもしれません。
(4)例えば、採用面接では、自分にとって不利益なことをそのまま言ってくれているか等の、暗黙知(数値化できない)判断要素があるかもしれません。
機械学習も正しい結果を出せないときもあります。機械に責任を負わすことはできません。例えば、医療診断等であれば、最終的な判断は人がすべきです。
これらの場合には、最終的な判断を人に委ねつつ、参考となるデータを提供するシステムを作ります。
原因特定型
(1)例えば、工場の製品に不良品が出た場合の原因追及等の意思決定をサポートするデータ活用です。
(2)この場合には、今まで、よくあるトラブル事例を念頭に、破損、変色、異音、異臭等の、人が経験と勘で、原因を究明していました。
(3)変色、異音、異臭となると、データとして収集できるかも不明です。
(4)実際に、データで推論を助けるとしても、現場の担当者も、経験と勘で判断しており、どのような事情を考慮して原因追及をしていたか、言葉で説明することが難しいことも多いでしょう。
(5)例えば、トラブル発生前と、トラブル発生後を数値で分かるように、各工程を数値化して、現場担当者が判断するのに使える測定値を作る、というアプローチがあります。
(6)例えば、よくあるトラブルの原因をリストアップし、そのトラブルが発生すると生じる現象を自動で感知するシステムを構築するアプローチもあります。
参考
河本薫 「データ分析・AIを実務に活かす データドリブン思考」
ビジネスで、データを活用する注意点について詳しい説明がされています。