【データドリブン経営】データによるニーズの予想
2024/01/27 更新
企業の課題
(1)ファッション業界の衣服メーカが消費者動向を分析する場合、どのように考えていくべきかについて解説します。
(2)作りすぎれば商品が無駄になります。逆に需要に満たなければ機会損失を生じます。
(3)ファッション業界の場合、ニーズを適切に把握することは死活問題です。そのために、複数のセンサー(指標)を設定し決定します。
集めるデータを決める。
(1)収集するデータを決めます。
(2)リアルタイムの情報は不可欠です。小売業者のレジのデータ(POSデータ)が欲しいところです。
そうすると、小売業者の協力が不可欠となってきます。
(3)収集するデータとしては、以下のようなものが考えられます。
小売業者のレジのデータ(POSデータ)
小売業者からの注文データ
小売業者への出荷量、割引、プロモーション費用
社会的なデータ、季節、景気を示す指数(例えば、失業率)
天候データ、平均気温、休日、降水量
分析するデータを選ぶ
(1)分析方法として回帰分析を選ぶとすれば、多くのデータを入力することはできません。
(2)例えば、「レインコートの売れ行き」の分析であれば、「天候」が重要かもしれません。
例えば、「流行りものの服」の分析では、ランキングサイトのランキング、SNSでのランキングが重要になるかもしれません。
(3)分析の目的によって、データを検討し直す必要があります。
回帰分析
(1)回帰分析をする場合であれば、データは3種類、4種類のデータでも予想が可能です。
(2)例えば、賃料の予想するのであれば、「駅からの距離」、「建築されてからの年数」等のデータを入力します。
(3)イメージで言えば、Ⅹ軸に「地価」、Y軸に、「駅からの距離」、Z軸に、「家賃」を入力して点を打ってい きます。そして、その点が密集している固まりに線を引いて、仮説の計算式を作るようなイメージです。
賃料=40.969×「駅からの距離」+0.5978×「建築されてからの年数」という計算式ができます。
(4)外れ値を見つけて取り除く必要があります。
一般論として、「駅から近い方が賃料が高い。」という法則があるとして、「駅から遠いのに、家賃が高い地域がある。」とします。その理由が近くに有名なお菓子屋さんがあるからだと分かりました。そういった「特異なデータ」を取り除かなければ計算が狂います。
視覚的にデータを見直した場合、外れ値は、その他のデータの固まりから外れているので見つけることができます。
回帰分析の勉強
回帰分析等について勉強するなら、下記の本がお勧めです。
向後千春、冨永敦子 「統計学がわかる」
向後千春、冨永敦子 「統計学がわかる 回帰分析・因子分析」
予想精度の問題
(1)数値予想をして、実際の数字との齟齬を分析します。
(2)予想との変動が大きい商品、予想との変動が小さい商品に分けて、管理方法を再検討します。
(3)例えば予想との変動が大きい商品については「機会損失を覚悟で、少なめに製造する。」もしくは、「納品期間内に、柔軟に生産を調整できるようにする。」「リスクに応じた値段設定をする。」等の対応をすることになります。
参考
ハーバードビジネスレビュー 2022年3月号104頁以下