【データ分析】データ分析の目的を設定する
2024/01/29 更新
データ分析の目的
(1)「数値化する」ということは、「データを取得する」という新しい業務を発生させます。データを取得する目的と明確化し、取得するデータについても限定しなければ、単に業務を増やすことになります。
(2)データ分析をするには、数値化する目的を明確にすることが必要です。
①問題の根本的な要因を見つけることができる
(1)業務プロセスを文面化し、各業務プロセスの数字を入れます。
ウェブの閲覧数 | ウェブからの問い合わせ | 取引先での面談 (ヒアリング) | ヒアリング後のプレゼン | 契約数 |
50件 | 25件 | 3件 | 2件 | 1件 |
(2)各プロセスのどこに問題があるかを見つけて改善を検討できます。
行動目標より、実際の数字が低ければ、そこが「最重要の改善点」です。
同一人物の過去のデータより、実際の数字が低ければ、そこが「最重要の改善点」です。
他の社員のデータより、実際の数字が低ければ、そこが「最重要の改善点」です。
実際の数字が低ければ、そこが「最重要の改善点」です。
参考
岩田圭弘「数値化の魔力 “最強企業”で学んだ「仕事ができる人」になる自己成長メソッド」135頁以下
(3)なお、このような分析をするさいには、業務プロセスについてマニュアル化がされていること、営業トークについても台本が用意されていること、営業トークの研修制度があり、社員が誰でも同程度のパフォーマンスを行える標準化(マニュアル化)が必要です。
②1日の目標を設定できる(仕事を明確にできる)
(1)業務プロセスを文面化し、各業務プロセスの数字を入れます。
1日の電話の数 | 電話で3分以上会話できた件数 | 取引先での面談 (ヒアリング) | ヒアリング後のプレゼン | 契約数 |
50件 | 25件 | 3件 | 2件 | 1件 |
(2)最終目標が、月に契約10件だとして、1日、何件、電話すればよいのか、1日の目標(仕事の内容)を明確にできます。
(3)プロジェクトについても1か月ごとではなく、「1週間以内にする仕事(できれば、1日以内にする仕事)」を明確にすることで、タスク(何をするのか。)を明確にできます。
③問題の本質を見抜ける
(1)ある会社の8割の売上は、2割の取引先の売上で構成されていている。逆に、8割の取引先との売上は、全体の2割程度しか貢献していないという事象をパレートの法則といいます。
(2)目に見えている問題の原因を分類すると、会社の業務の2割を改善すれば、問題の8割を解決することも可能です(パレートの法則)。
(3)問題の概要を報告してもらい、それらを分類して、「会社の業務のどこが問題となっているのか。」「改善方法」の観点から分類をしていけば、「改善方法」の優先順儀を見つけることができます。
④正しい目標を設定できる。
(1)業務プロセスを文面化し、各業務プロセスの数字を入れます。
1日の電話の数 | 電話で3分以上会話できた件数 | 取引先での面談 (ヒアリング) | ヒアリング後のプレゼン | 契約数 |
50件 | 25件 | 3件 | 2件 | 1件 |
(2)「〇〇すれば、契約件数を3倍にできる。」等の仮説によって、実現可能(根拠がある)目標を設定することができます。
参考
三木雄信「孫社長にたたきこまれた すごい「数値化」仕事術」23頁以下
数える前に分ける
(1)どの数字を集めるか、を検討する必要が有ります。数字を集めるまでに、分ける必要があります。
(2)利益率の低い仕事を廃止する。もしくは、値上げ交渉するのが目的であれば、仕事(商品ごと)に分けた方がよいでしょう。
業務プロセスの改善点を明確にするのが目的であれば、業務プロセスごとに分けた方がよいでしょう。
クレームの対応が目的であれば、クレームの原因となった業務と、その対策ごとに分けた方がよいでしょう。
(3)データの分析結果については、現場の社員の直感(経験)と大きく違った結果を出すものではありません。
しかし、現場の社員は、いつもの仕事に疑問点を持たないのが通常です。「利益率の低い仕事を廃止してもよいのではないか。」「値上げ交渉できるのではないか。」という視点を与えるのは、データ分析者の仕事となります。
参考
三木雄信「孫社長にたたきこまれた すごい「数値化」仕事術」44頁以下