【業務プロセスと数値】業務プロセスと数値(その①)
2024/01/28 更新
ボトムネック理論
(1)例えば、ある商品を完成させるのに、「A工程→ B工程→ C工程」を経る必要があるとします。
仕事の完成は、その作業の中で一番遅い過程のスピードに左右されます。ここをボトムネックと呼びます。
(2)全体の作業効率を上げるのであれば、ボトムネックの部分の効率をあげなければなりません。逆に言えば、ボトムネック部分以外の改善は意味がありません。
(3)他の過程は、ボトムネックに合わせてスピードを落とした方が効率的です。例えば、B工程がボトムネックである場合に、A工程での処理スピードをいくら上げても、B工程前に在庫の山を作ることになります。そうなると、在庫の管理が必要になり、仕事のための仕事を生みます。
(4)ボトムネックが工場全体の効率を決定します。したがって、ボトムネックの効率を2倍あげれるのであれば、工場全体の効率を2倍アップさせることができます。例えば、ボトムネック部分の工程の作業効率が10%アップすれば、工場全体の運営の固定費の10%と同額のメリットをもたらします。ボトムネック部分は、多少のコストアップがったとしても、投資すべきです。
(5)ボトムネック部分の処理スピードが、仕事の完成のスピードを左右します。ボトムネック部分の処理スピードを観測すれば、仕事の完成時間を予想できます。
業務プロセスの見える化・数値化
(1)業務プロセスを文面化し、各業務プロセスの数字を入れます。
1日の電話の数 | 電話で3分以上会話できた件数 | 取引先での面談 (ヒアリング) | ヒアリング後のプレゼン | 契約数 | |
目標数 | 50件 | 25件 | 3件 | 2件 | 1件 |
実数 | 66件 | 23件 | 3件 | 1件 | 0件 |
(2)各プロセスのどこに問題があるかを見つけて改善を検討できます。
行動目標より、実際の数字が低ければ、そこが「最重要の改善点」です。
同一人物の過去のデータより、実際の数字が低ければ、そこが「最重要の改善点」です。
他の社員のデータより、実際の数字が低ければ、そこが「最重要の改善点」です。
他社と比べて、実際の数字が低ければ、そこが「最重要の改善点」です。
参考
岩田圭弘「数値化の魔力 “最強企業”で学んだ「仕事ができる人」になる自己成長メソッド」135頁以下
(3)なお、このような分析をするさいには、業務プロセスについてマニュアル化がされていること、営業トークについても台本が用意されていること、営業トークの研修制度があり、社員が誰でも同程度のパフォーマンスを行える標準化(マニュアル化)が必要です。
1日の目標を設定する
(1)業務プロセスを文面化し、各業務プロセスの数字を入れます。
1日の電話の数 | 電話で3分以上会話できた件数 | 取引先での面談 (ヒアリング) | ヒアリング後のプレゼン | 契約数 | |
目標数 | 5件 | 3件 | 0.5件 | 0.5件 | 0.1件 |
実数 | 5件 | 2件 | 0.3件 | 0.3件 | 0.1件 |
(2)最終目標が、月に契約10件だとして、1日、何件、電話すればよいのか、1日の目標(仕事の内容)を明確にできます。
(3)プロジェクトについても1か月ごとではなく、「1週間以内にする仕事(できれば、1日以内にする仕事)」を明確にした方が分かりやすいです。
(5)1日目標で、数字が「0.5」となっていても大丈夫です。「昨日1件契約をとっているので、今日は0.5クリアーできている。」という形で、体感的にも把握可能であるからです。
岩田圭弘「数値化の魔力 “最強企業”で学んだ「仕事ができる人」になる自己成長メソッド」99頁
現実的な目標を行います。
(1)業務プロセスを文面化し、各業務プロセスの数字を入れます。
1日の電話の数 | 電話で3分以上会話できた件数 | 取引先での面談 (ヒアリング) | ヒアリング後のプレゼン | 契約数 |
50件 | 25件 | 3件 | 2件 | 1件 |
(2)「〇〇すれば、契約件数を3倍にできる。」等の仮説によって、実現可能(根拠がある)目標を設定することができます。
参考
岩田圭弘「数値化の魔力 “最強企業”で学んだ「仕事ができる人」になる自己成長メソッド」