【適材適所】社内の労働市場(タレント・マーケットプレイス)
2024/08/21 更新
社内の労働市場(タレント・マーケットプレイス)
(1)社内の労働市場(タレントマーケットプレース)は、職場で欠員がでたときに、社内に募集をかけて、社内の人材がその仕事に応募できるようにする仕組みのことです。
(2)仕組みとしては、社内用の求人システムです。従業員は自分の求人情報を記載し、欠員の補充したいマネージャーは仕事の内容を記載する。従業員が社内用のネットワークで仕事を見つけて応募したり、マネージャーから従業員にオファーを出したりできます。
(3)雰囲気の悪い部署では、人材の流出が続くことになります。管理職の力量が明確になり、管理職不足の対策が必要になります。
(4)職場の雰囲気に不満を抱く社員は、転職以外の選択肢を手に入れることができ離職率の低下を期待できます。
(5)管理職の育成等の課題をクリアーできれば、よりよい職場の確立ができます。
マネージャーのリーダーシップが他部署の部下を引き抜くことになれば、調整が必要です。しっかりとした社内ルールが必要になります。
メリット
(1)職場を変更したいという希望を社内での異動にかえることができ、離職率を下げれます。
(2)大規模な組織では適材適所での人員配置は難しいという問題がありました。ITMの活用によって、従業員はいろいろな職種から自分の望んだ仕事に付くことができ、適材適所での人材配置が可能になります。
(3)ゼネラリストにとっては、いろいろな職種を選ぶことができ、成長機会を得ることが出来ます。
(4)社内での異動によって、特定部門の知識が持った者が他部門に異動することで、部門間のコミニケションの向上に役立ちます。
デメリット
(1)他部署に部下を引き抜くことになれば、その部門のマネジャーは怒りを覚えるかもしれません。「他部門への挑戦はその従業員にとって成長機会であり、長期的には会社のメリットになる。」という認識を持つように、マネジャーにしっかりと説明をしておくことが必要です。
(2)人員の異動を会社がコントロールすることが必要です。会社にとって、必要な人材が育つように、そのような人材がその分野の職種を選ぶような工夫が必要です。
例えば、将来この職業は重要視されるようになりますと、推奨マークを付けたり、報酬をあげたりすることが考えられます。
(3)好業績を上げる従業員は、好成績を上げるチームへの異動を望む傾向にあります。しかし、経営戦略によっては、特定のプロジェクトに人材を集中させるべきときも、それとも、分散させるべきときもあります。
参考
ハーバードビジレスレビュー2023年12月号30頁以下