ジョブ型雇用と、IT人材
2024/01/12 更新
企業のデジタル対応の遅れ
(1)GAFAのようなスタートアップ企業が成功し、デジタル技術の活用が、企業が生き残る必須条件となりました。
(2)しかし、日本企業のデジタル対応が成功しているとはいえない状況です。
社内の社員SEがいないこと
(1)日本では、SEの4人中3人が、ベンダー企業で働き、社内の社員SEは1人です。
(2)逆に、欧米では、SEの4人中1人が、ベンダー企業で働き、社内の社員SEは3人です。
(3)日本では、社内で社員として、ITの専門家として働く人材はほとんどいません。
社内で常駐しているITスタッフは実は、ベンダーから出向となっているベンダー会社の社員であることがほとんどです。
(4)このような状況下では、社内のシステム化のノウハウが蓄積されません。
システムを発注する難しさ(要件定義の難しさ)
(1)要件定義は、発注会社が必要としている機能、システム会社が作るべきシステムの機能を明確にしたものです。
(2)システム開発はIT業者にお金を出せば開発できるものではありません。例えば、運送会社が業務の一部についてシステム開発をIT会社に依頼するとします。IT業者は、運送業務について知りません。発注者から言われた機能を追加します。必要な機能を全て言語化するにはノウハウが必要です。
(3)そのため、IT業者にシステム発注したが、実際に完成したものが使えない、というになるのです。
デジタル人材の確保と、ジョブ型雇用
(1)デジタルのスキルを有した人材は若く、市場では年齢に比して高待遇でした。そのため、企業の社員として採用するには、給与体系・人事制度で対応するには問題がありました。
(2)市場から人材を確保するために、お願いする仕事内容を明確して、市場価格で給与水準を決めて、内部及び外部から希望者を募るジョブ型雇用の動きが始まりました。
採用したデジタル人材が離職してしまう。
(1)企業のデジタル化を進めるのであれば、経営者が(システム開発はIT業者にお金を出せば開発できるものではないこと)システム開発について勉強し、リスクを負ってでもこれを進めていくことを本気で社員に伝えることが必要です。
(2)経営者が、デジタル化について学び、デジタル化に本気に取り組むことが必要です。
(3)この下準備が十分でないために、せっかく入社したIT人材は失望し辞めてしまうことも多いです。