【データと人事】人的資本経営の意義
2024/01/10 更新
人的資本経営
人的資本経営は、会社の状態を売上だけでなく、人材についての情報(どんな人がいるのか。離職率や、会社で働くことを社員が幸せと感じているのか。)をデータ化して把握する経営です。
人的資本経営の意義
(1)デジタル化
デジタル化の流れで、人的資本経営によって、人事戦略をデータ化して合理的な運営を目指す動きがあります。
(2)企業の成績表
売上が順調な会社について不祥事が発覚し、突然、株価が下がるということもあります。不祥事を隠すような社風についても見える化(情報開示)できれば、投資家の判断に資する可能性があります。
(3)社会的課題への誘導
カーボンニュートラルや、女性の役員就任など、社会的課題への取り組みの程度を開示させることで、企業が社会的課題に取り組むように誘導させる動きがあります。
人的資本経営によって、企業が長時間労働の防止や、パワハラセクハラの防止、過労死の防止に取り組むように誘導することもできます。
(4)ジョブ型雇用と人材把握
メンバーシップ型雇用(日本企業)では、社員は人事部の指示で人事異動を経ながら、共通の尺度(エリートコース)で、人事部が次期経営者、次期管理職候補のリストを管理していました。
しかし、ジョブ型雇用では人事異動が存在しません。他の部署の社員について、その経歴、上司、部下からの評価等を見える化して、次期経営者、次期管理職としての適性や、成長するために経験すべきポジション、次のボジションにつかせるために必要な教育内容を判断できる資料が必要になります。
人的資本経営の課題
人的資本経営が目指す姿は理想的です。しかし、新しい取り組むのであれば、企業としての課題の優先順位を把握しつつ、本当にその取り組みを行うべきか。取り組むとしてどのようなビジョンを目指して、どのような課題を克服しようとするのか、しっかりと判断する必要があります。