【アジャイル】官僚型組織・自律型組織(アジャイル)
2023/11/07 更新
官僚的組織の特徴
(1)トップが計画を作り、作業を効率的に分担します。
(2)管理職の役割は、部下が計画・ルールを守っているか管理することになります。
(3)計画に基づいて仕事を分割するので、無駄がありません。
(4)意思決定は上から下へのトップダウン方式となります。
(5)開発の方式は、綿密な計画を立てて、そのとおりの製品を作るウォーターフォール型と親和性があります。
(6)(良い商品を作れば必ず売れた時代)大量生産時代には、官僚的方式の方が効率的でした。
(7)「部下が計画・ルールを守っているか」を管理することになり、ミドル層が考えることをしなくなる傾向があります。正解のない分野では、新しい可能性を模索する必要があり、官僚的組織は限界を迎えてきた、とも言われます。
(8)スケールメリットを活かししつつ標準化、分業化を進めて商品一個当たりのコスト削減を可能にすることができます。分業の結果として、社員(グループ)のノウハウは個々の業務に特化することになります。高品質やコスト削減には向いていますが、イノベーションには適していません。
自律型組織(アジャイル方式の特徴)
(1)現場で試行錯誤して、解決策を模索します。
(2)管理職の役割は、部下の成長を支援することになります。
(3)現場で相談しながら進める必要があり、現場のコミュニケーションがより重要となります。
(4)意思決定では現場の判断が重視されるボトムアップ方式となります。
(5)開発の方式は、少数ロットで製品を完成させて販売し、市場の反応を見ながら改良を加えるアジャイル型と親和性があります。
(6)ミッション等で、指針を定めて現場の方向性を束ねる必要があります。
官僚型組織・自立分散型組織
(1)売上が上がっている主力事業では、現状維持のまま品質を高めていくという方針を取ります。官僚型組織が有効です。
(2)しかし、新規事業では、自立分散型組織が適しています。
(3)どちらが優れているというわけではありません。一つの会社の中に、官僚型組織と、自立分散型組織を抱える必要が出てきます(両利きの経営)。
参考
安斎 勇樹 「問いかけの作法 チームの魅力と才能を引き出す技術 」31頁以下
ハーバードビジネスレビュー2023年2月号38頁以下