Q　主尋問で、証人等が上手く回答できなかった場合に、もう一度、質問するときに、どのように工夫をすればよいですか。

尋問のテクニック

（１）尋問のテクニックとしては、もともと予定していた回答をしてもらえなかったときに、以下のようにして聞き直すテクニックがあります。

（２）大切なことは、回答のヒントにとどめる、ということです。本人の口から、本人の言葉で説明してもらうことが大切であるからです。

（３）ヒントにとどまるのであれば、「誘導である。」という異議は理由が無いことになります。

キーワードに注目した追加質問のテクニック

弁護士の質問
　「〇月〇日に、ＡさんはCさんと会って〇〇の話をしています。」
　「このとき、ＡさんとＣさんは、どんな話をしましたか。」

証人
　「〇〇です。」

弁護士の質問
　今、Ａさんは、「理不尽さが許せなかった。」とおっしゃっていましたが、どういう意味なのか、もう少し教えてもらえませんか。

解説

　証人が上手く話せていなかった点について、キーワードに注目してもう一度質問するテクニックです。

打合せのときの話のテクニック

弁護士の質問
　「〇月〇日に、ＡさんはCさんと会って〇〇の話をしています。」
　「このとき、ＡさんとＣさんは、どんな話をしましたか。」

証人
　「〇〇です。」

弁護士の質問
　先日の打合せでは、「●●」という話をされていました。
　こういうことはなかったのですか。

解説
　一度、オープンで聞いておけば、こういうことを言いたいのではないのか、という意味の質問です。
　もちろん、弁護士は簡潔に概略を説明し、具体的な話は、本人に語らせることで、誘導であるという批判を避けるテクニックです。